2007年03月23日

2003.02.17 満月

最近は、遠い天体が活発にアスペクトを組んでいます。冥王星は土星とのオポジションが再度活性化されており(正確なアスペクトは昨年5月に形成されたのが最後)、海王星は木星とオポジションになっています(これらの個々の意味は、以前にこのシリーズでも考えていますね)。遠い天体の影響が強く働いている時期には、社会情勢では恐慌や戦争、国際的な緊張などの大きな動きも起こりやすくなります。土星より遠い天体は、過去に形成された構造や秩序を新たな状況に合わせて作り替えていくプロセスを促進する働きがあります。いもむしが脱皮しながら成長していく様子を思い出してください。外の世界に触れる皮は生き物の内部の繊細な構造を守っているのですが、中身がある程度成長すると皮はその後の成長の邪魔になってしまいます。それで、ときどき脱皮してはさらに成長していくのです。遠い天体が活発にアスペクトを組んでいる時期は、このような脱皮の過程が促進されるというイメージをもつとよいかもしれません。

満月と新月の違い

では、今回も満月図(2003.02.17.08:51)を考えていきましょう。満月自体を考える前に、新月と満月の違いについて考えてみましょう。新月も満月も、占星術で扱うすべての天体の中でもっとも明るい光の源である太陽と月が関わっています。太陽や月は、明るい光なので、私たちが体験しているさまざまな要素(他の天体など)をいっぺんにまとめて意識することを可能にします。つまり、これらの2つが「統合化」を行う力をもっています。中でも太陽は新しい光による統合です。そして月は地球の衛星ですので過去の体験を統合して維持しようとしている機能と考えられるでしょう。つまり、太陽と月が関わるということは、これまでの命のあり方(月)に対して、全体を意識し統合化する新たなエネルギーが関わってくるのです。これは、生き物が日々いろいろな新しい体験をしながら成長している姿、あるいは、会社や街などの社会的な組織が成長している姿そのものなのですが、新月、満月と繰り返されるサイクルは、その成長に「リズムがある」ということなのでしょう。そして、そのリズムに合わせ、新月や満月というタイミングで動機や体験が強く意識され、生体や心理の中に刻まれるのでしょう。では、新月と満月はどんなリズムを奏でているのでしょうか。新月は、太陽と月がコンジャンクション、つまり、同じ位置になります。そして、満月は太陽と月がオポジション、つまり、対向の位置になります。月は、太陽と同じ位置(新月)からはじまり、だんだんと遠ざかって、もっとも遠ざかったときが満月になります。月は、満月までは、だんだんと太陽から遠ざかっており、満月でもっとも太陽から遠ざかり、満月以降はだんだんと太陽に近づいていきます。新月は過去と未来が一体になっているようなイメージで、テーマがまだ未文化で具体化されていない状態ですが、満月は互いに一番遠い方向にあるので、もっとも客観的で具体的に表現されることになります。

赤ん坊と母親の比喩

さて、いろいろなサイクルがこのように一体と分離、主観と客観の間を螺旋状に進みながら進化・成長しています。こうした進化・成長のサイクルは、幼児期の赤ん坊が母親の保護を背後に感じながらいろいろな冒険をする体験の過程をイメージすると分かりやすいでしょう。赤ん坊は、母親に支えられて安心を感じると、まわりのいろいろなものに興味をもち働きかけようとします。そして、いろいろな対象に触ってみたり、動かしてみたりしながら遊び始めます。しばらく夢中になっていると、今度は母親が心配になり探します。いろんなことをやらかしている自分が、まだ、ちゃんと母親に受け入れられているのか不安になり、母親を探すのです。こうして、自分がやったことが認められるかどうかを確認しながら少しずついろんなことを覚えていきます。この新しいことを試したい衝動とそれが今までの文化の中(母親)で認められているかを確認するということを繰り返しながら成長していくという過程が、新月から満月、そして、また新月と繰り返すリズムの中でも同様に繰り返されているのです。そして、新月は「新しいことを試したい」衝動に対応し、満月は「その衝動が今までの文化の中でどう受け入れられていくか」ということに対応しています。つまり、満月はちょうど赤ん坊が「ママ、こんな楽しいものがあるよ」と自分の発見を抱えて母親のほうへ振り返るイメージなのです。そして、満月図には、その振り返った瞬間目に入ってきた印象が表現されています。

水瓶座の満月

さて、では実際の満月図を見ていきましょう。今回の満月は水瓶座の28番目の度数で起きています。獅子座と水瓶座の間の満月です。「こんな素晴らしい新しいもの」と赤ん坊が抱えているのが水瓶の太陽です。水瓶は、壁を越えた協調の精神を示します。お互いの特徴や希望を評価しあってよりよい全体のまとめ方を見つけていこうとする気持ちに溢れています。そういうテーマはどうだいと赤ん坊が振り向くと、母親は獅子座の気持ちで見守っています。つまり、今までの文化にしたがって生活を維持している部分は、それぞれの個性をのびのび発揮したいと感じているのです。赤ん坊は、それに対していつもの枠を越えた視点で他の文化を認識することで新しい成長の方向を探そうとしています。基本的には、このような場面設定が存在します。太陽は一年ごとに一周するので、毎年、この時期にはこのような設定ができるのです。そして、今年の特徴として、土星より遠い天体からのオポジションの影響が強く働いています。太陽と月は、「大きな光のもと」なので、その他の惑星の働きのパターン全体を照らし出し、「命の組織」としてまとまって働くようにエネルギーを与えるのです。そして、このエネルギーが「個々の要素が個性を発揮したい感情の動きに対し、これまでの枠を越えたビジョンで全体の構造を見直そうという視点で見渡すことにより新たな展開へ進んでいこう」という方向性をもっているわけです。

最近のテーマ

太陽と月がまとめようとしているテーマは、他の惑星の配置により表されています。その中でもゆっくり動く天体は長期的に少しずつ変化する要素を示します。冒頭で話題にしたように土星より外側の天体は社会構造全体の脱皮の過程に関わりますが、土星と木星は社会の構造自体を作っていきます。もっと身近なところに目を向ければ、例えば、土星や木星は自分が身の回りの世界にすでにあるものごとの行い方にうまく関わっていこうとする感覚を作っていきますが、土星より遠い天体は集団でのものごとの行い方に対して個人の視点を反映させていこうとする力の働きが表されています。個人の視点は、多くの個人の間で共通の要素が集まったときに初めて大きな力となって働きます。このためそのプロセスはゆっくりゆっくり進んでいくのでしょう。そして、命ある組織が活動し続けていくことができるように新陳代謝が起こるのでしょう。最近は、ちょうど、この土星と木星に対して冥王星と海王星がオポジションで影響を与えているので、いろいろな次元で組織や人間関係のルールや常識を個人がより本音を出し合って生きていきやすいように作り替える努力がなされているのではないでしょうか。これらの動きを背景に、短期的には、火星や金星、水星がその時期に取り組む比較的具体的な内容を示します。今回の満月では、水星は木星と海王星のオポジション付近にあるので、理想主義や平和への願望を情報としてピックアップしていく傾向があるでしょう。金星は山羊座にありますがしっかりしたアスペクトはありません。協力しながら物質的な安全性や楽しさを追求していきたい金星は、集団を統率しようとする山羊座にありますが、アスペクトがないのでうまく方向をさだめて活動しにくくなっています。そして、火星は土星とオポジションになっている冥王星にくっついています。土星と冥王星のオポジションは、集団でのものごとの行い方(土星)を個人個人の視点をより反映するように作り替えていく働きがあります。この個人的な視点を火星が実行に移し、既存の構造(土星)に対抗しようとしているようです。

実際のシンボル

満月図のいろいろな部分のイメージがつかめたでしょうか。では、今回はその中で天王星を取り上げてみましょう。まず、天王星という天体の機能を考えてみましょう。天王星は、土星より遠い天体の一つです。何度も話に出ているので、これが社会的な構造の「脱皮」の過程を促進するということはもうお分かりですね。天王星は、その中でも集団の中で共有される意見の形成に関わっています。集団で共有される社会構造は、もともとこのような共有される意見にしたがって作られるものなのです。意見は、公共のコミュニケーション、電波などを使って共有されます。しかし、構造として作り出してしまうと時代の流れとともに集団の意見が少しずつ変化すると不都合が起きてきます。天王星の働きは、このような不都合が起きたときにもっとも明確に感じられるかもしれません。普段、私たちはこのような共有される広いビジョンにはあまり触れずに過ごしているので(土星の「皮」の中で生活しています)、天王星の働きは一見「独創的」とか「変わり者」のように見えるかもしれません。また、天王星が「不都合」を解消しようとしているときには「反抗的」に見えたり「反逆者」に見えるかもしれません。また、天王星は「距離を置いて観察する」ような特徴もあります。これは、天王星の目的としている「集団の意見の把握」には有利かもしれませんが、人間関係などでは寂しく感じるかもしれませんね。

天王星の状態

このような働きをする天王星は今回の満月図では太陽とコンジャンクションになっています。水瓶座は天王星が支配星になっているので、もともと水瓶座の太陽は「集団の意見の把握」に興味をもっているのですが、天王星も一緒になっているので赤ん坊はそれを行う道具(天体)も一緒にもっているような状態です。つまり、赤ん坊は「みんなの意見を集める道具」で遊びながらその結果を「自分はすごいんだぞ」と堂々とふんぞりかえっている獅子座の母親に突き付けようとしているのですね。赤ん坊の遊びはうまく受け入れられるのでしょうか。そして、この遊びのおもちゃである「みんなの意見を集める道具」が天王星です。

天王星のサビアン

天王星のサビアンは、

AQUARIUS29:A butterfly emerging from a chrysalis.(さなぎから出てくる蝶)

まさに、「脱皮」をしているところですね。みなさんは、このシリーズでのサビアンの意味の考え方にはもうだいぶ慣れてきているでしょう。何度も繰り返しながらもっと慣れていきましょう。水瓶座は、12あるサインを3つに分類したときには最後の4サインにあるので、「全体性と関わる」次元にあります。また、水瓶座は「風」の星座なので客観的な情報を扱います。客観的な情報で火の「何かを動かそう、もたらそう」という気持ちを煽るのです。前回は、この水瓶座を「理想的な武勇伝」の型の働きとして考えました。これは、コンサート会場の観衆の役割(ステージの演奏を煽る)などとしてもイメージできるでしょう。水瓶座は、このような全体性を意識する側面や情報で煽る性質をもっています。天王星は、このような水瓶座の29番目の度数にあります。29番目は、星座内部の3分割の3番目(第三デーカン)の後半にあたります。第1デーカンでは、個人の中でこの「観衆の気持ち」と関わります。第2デーカンでは、対人関係など具体的な人との関わりの場面で「観衆の気持ち」を働かせてみます。そして、今回のテーマである第3デーカンでは、集団のありかたに影響する場面で「観衆の気持ち」の役割を働かせようとしているのです。さらに、第3デーカンの中でも後半になっているので、それを働かせたときの集団全体の反応を認識する次元になっています。天王星は、このような場面の中で「みんなの意見を集める」機能を果たそうとしているのです。さて、29番目の度数は、第3デーク後半の中でも4番目の度数にあたります。4番目の度数は、その次元のテーマをコンスタントに働かせることができるように確実化させていきます。3番目の度数(太陽はこちらにあります)は、テーマの可能性を広げ、理解、消化していきます。

AQUARIUS28:A tree felled and sawed.(倒されのこぎりで切られた木)

第3デーカンも後半の度数では、「型」がもたらす反応のほうに注目します。つまり、「集団的な期待が何をもたらすか」ということを理解吸収(3番目の度数)し、それを確実に効果的に利用できる状態(4番目)にしていきます。「のこぎりで切られた木」は、家や家具を作ろうとしているのでしょうか。すでにあるかたちで成立した「木」をその特徴を生かして別の目的に利用しようとしています。「さなぎから出てくる蝶」は、生命がその成長の過程で繰り返ししっかり利用することが可能になった「脱皮」の過程を分かりやすく象徴的に表しているのでしょう。脱皮して美しい蝶になり、その個性を発揮するのですね。このように、「みんなの意見」を集めた結果すでにできあがっている構造をそれに合わせて変化させる過程が感じられるのではないでしょうか。世界情勢では、何が脱皮するのか興味深いところです。

(星座とサビアン・その8より)
posted by ryu at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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