2007年03月23日

2003.04.17 満月

春分も過ぎ、占星術の新しい一年も始まりました。さて、今回もさっそく満月図(2003.04.17.4:35 Tokyo)を見てみましょう。このシリーズでは、新月を「母親に抱かれて安心していた赤ん坊が周囲の世界に興味をもち冒険へ出かけようとするとき」の様子、満月を「その冒険で楽しいテーマを発見すると同時に母親が気になり、振り返ったときの赤ん坊の意識」のようなイメージで解釈をすすめています。今回の満月は、振り返った赤ん坊が手にもっている遊び道具(つまり、アスペクト)がたくさんあります。Tスクエアになっている火星をはじめ、金星、土星、そして、少しオーブが広くなりますが、天王星も関わっています。ちょっと見方を変えると、月と土星、天王星でグランドトラインの三角形をつくっており、この天王星の両側に金星と火星が構えているという配置にも見えます。少しずつ解釈を進めていきましょう。

新たな動きを作っていこうとする赤ん坊の意識(太陽)は牡羊にあり、それにこれまでの文化のレッスンを教えようとする母親(月)は天秤のアプローチをします。牡羊は何かをやってみたくてうずうずしていますが、やり方を知りません。それに対して、天秤は一番効果的な美しいやり方を知っています。ちょうど赤ん坊が何か新しいおもちゃで遊びたくなって振り返ったら母親がまさに魅力的なおもちゃを用意して手招きしているようなイメージでしょうか。「それやりたい」と赤ん坊がおもちゃを指差しているような意識がメインのテーマになっています。このとき、このおもちゃをもっている月に土星と天王星がトラインになっているので、社会の秩序やルールを古いものを守りながらも改革していく動きがいっしょに働いています。「やりたい」と思うテーマには、このような多くの人々が共有する構造を建設的に改革していこうという部分が含まれてきます。この太陽と月のメインテーマに対して、火星の「行動力」の方向性は少し異なる方向を向いています。太陽と月が個人個人が今やりたい新鮮なテーマを重視しているのに対して、行動力の火星はすでにみんなで決めたルールを守って行おうとするのです。ここで新しい方向と古い方向の葛藤が起こります。例えば、これはリーダーシップが新しい方向性を試してみようと思うが、軍や現場で活動している人々はこれまでの秩序で動こうとするような葛藤なのかもしれません。

この火星は魚座の金星とセクスタイルになっています。金星は、火星にとっては標的や目標を表します。火星はこうして目標を認識しやすくなっているので、その意味では行動しやすくなっています。目標がどんな性質をしているかは、魚座にある金星について深く考えていくと見えてくるでしょうが(特に土星とは正確にスクエアになっています)、これについては後でじっくり考えることにしましょう。

その他、この満月図には水星と海王星のスクエアがあります。これは、情報の交流や知性の働き(水星)が夢や理想、環境の中に漂う雰囲気などに影響されて働きやすいということを示します。平和や多くの人々の幸せについて話題に上りやすいですが、反面、誤解や騙したり騙されたりということも起こりやすくなるので注意が必要です。水星は、個人的な豊かさや安全を意識しやすい牡牛座にあります。あるいは、もやもやとはっきりしない状況に対して個人の具体的な立場や役割をはっきりさせようという言動が多くなるかもしれませんね。海王星は木星とオポジションになっており、大まかな視点では水星を含めてTスクエアの配置になります。これは、昨年の9月から今年の6月までに3回正確に形成される木星と海王星のオポジションが、少しずつ問題に取り上げている「社会モラル(木星)の理想を取り入れながら(海王星)の修正過程」というテーマを、水星の領域で進めていく効果があるのでしょう。海王星の理想は、誰もが心の奥底の方で感じているので無意識に影響を受けやすいですが、集団的な天体なのでほんとうに集団の幸せにつながるような夢でなければうまく働きません。

実際のシンボル

満月図のイメージがつかめてきたので、この中で抽選で一つ天体を選び、サビアンシンボルを考えてみましょう。今回は、火星とセクスタイル、土星とスクエアになりながら目標を意識させている金星がテーマです。まずは、金星が入っている魚座について考えてみましょう。魚座は、12サインを3つに領域分けする分類では3番目、つまり、「自分を包み込む世界との関係」を意識しながら体験されていきます。そして、水のサインでもあるので心のつながりを重要視します。つまり、魚座は世の中全体との心のつながりを意識しているわけです。火星はやはり3番目の領域にある山羊座にあるので、全体の視点に立って動こうとしています。山羊座は、物質的な側面での実際の機能を働かせようとしますが、魚座はその際の心理的なつながりや信頼感などを問題にするのです。この金星は、双子座の土星とスクエアになっています。双子座は、3つに領域分けする分類では1番目に属すので、「それぞれの個人の内面」を意識し成長させていく体験に関係します。土星という「具体的な組織を統括しようとする原理」は個人的な動き方(双子座)を重要視しながらルールや秩序を定めています。この個人的な動きを意識している部分に対し、全体の心のつながりがテーマである魚座の金星は協力する際に疑問を投げかけるかもしれませんね。

さて、そんな魚座の金星のサビアンシンボルは、

PISCES25:The purging of the priesthood.(聖職の浄化)

です。21〜25番目の度数は、魚座の第3デーカンの前半になります。12サインは「いろいろな性質のすべて」に関してどのような展望の中で意識化・具現化していくかということについて語られます。これに対して、サインの内部の細分化は「魚座という独特な性質に関するいろいろな側面」がどのような展望の中で具現化していくかというように視点の次元が少し変わります。魚座はもともと「全体の心のつながり」を大切に扱う星座ですが、星座の内部を考えるときには、イメージをもう一段階深めるために「魚座の働き」を機能させていく媒体を考え、それがどのように振る舞うかを考えていくと分かりやすいかもしれません。例えば、魚座の意義を世の中に実際に機能させる媒体として「個人」が動くとすれば、その個人がどんなふうに魚座の機能を動かしていこうかという側面が星座の細分化により見えてくるのです。魚座の第3デーカンは、「みんなの心のつながりを大切にしよう(魚座)」というテーマを組織や社会全体の中で働かせていこうとします。これが第1デーカンであれば、自分の中の体験として「みんなの心のつながりの大切さ」を実感していきます。そして、第2デーカンでは、対人関係の場面や実際に等身大の人々と関わりながら「みんなの心のつながりの大切さ」を実感していきます。これらの第1・第2デーカンのテーマと比較すると、第3の方向性が見えやすくなると思いますが、第3デーカンは大勢の人々の間で働く場面で意識していくので、もう第2デーカンのように一人一人の中で働く具体的な様子はすでに見えなくなり抽象化されてしまっています。

21度から社会全体の中での働きを意識するようになりますが、最初は「射手座」と似たようにそのサインのテーマを社会の中に広げていこうという勢いが強く働きます。

PISCES21:A little white lamb, a child and a Chinese servant.(小さな白い羊と子供と中国人の召し使い)

このシンボルから「周囲との心のつながりの大切さ」を世の中全体へ広げていこうというテーマが感じられるでしょうか。何も方向づけなしにイメージを膨らませるのは難しいでしょうが、背景も性質も異なるさまざまな要素が集まった感じはするでしょう。私は、例えば、アメリカやイラク、そして、他の国々がこんな感じで集まっているところなどを目にすると「周囲との心のつながりの大切さ」を積極的に広げていきたい気持ちを感じるのですが。

PISCES22:A man bringing down the new law from Sinai.(シナイから新しい法則を持ち降りてくる男)

2番目のステップは、21で感じた動機が環境の中にどんな反応をもたらすかということです。21の状況の中で、やはり誰かが「みんなの心のつながりは大切だ」ということに気がつき行動を始めたのでしょう。

PISCES23:Spiritist phenomena.(精神主義的な現象)

3番目のステップは、1番目の動機と2番目の反応を繰り返し体験していくことにより、最初の動機がいろいろなかたちで理解され、吸収されるための概念が生まれてきます。シナイから持ち帰られた法則を、いろいろな人々が試しているのでしょう。

PISCES24:An inhabited island.(人の住んでいる島)

4番目のステップは、実際的な力の働く環境の中で最初の動機をうまく利用していく技術を身につけていきます。「島」という現実的な全体性を作る枠の中で、人々は「みんなの心のつながりの大切さ」を実際の生活の中で学んでいくのでしょう。

こうして培ってきた魚座の第3デーカンの前半のテーマですが、今回の金星が位置する5番目のステップでは、4番目までの過程でできた「技術」の成果を積極的に役立てていく工夫と同時により大きな次元への還元が行われます。「より大きな次元への還元」というのは難しい表現ですが、最後の度数なので、次の段階へ進むためのまとめのようにイメージすると分かりやすいと思います。もう一度シンボルを見てみましょう。

PISCES25:The purging of the priesthood.(聖職の浄化)

聖職というのは、もともと社会の中で「みんなの心のつながりの大切さ」を説いていく役割です。しかし、役割や技術として固めたものは、いつのまにかその本質が失われ、かたちだけになりがちです。この度数では、その本質的な部分を働かせ、もともとある機能をリフレッシュしていこうという方向性が感じられます。わかりやすい例で考えれば、福祉施設や制度が本来の目的通りに有効に利用されているかを振り返っていくことなどはイメージしやすいかもしれませんね。宗教の教義、会社の社訓、国の憲法など組織が統一されている心のよりどころになる信念が実際に有効に働いているかを振り返り、その点から再度リフレッシュしていこうという動きが多く見られそうです。そして、今回の満月の金星はそんなテーマを標的として選び評価しようとする傾向をもつのです。

(星座とサビアン・その10より)
posted by ryu at 15:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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