2007年03月23日

2003.08.28 新月

今回は、半月ずれて新月のタイミングになりました。新月は、8月28日に起こりました。さっそく新月図を見てみましょう(2003.08.28.02:27.東京)。

満月と新月の違い

ちょうど、題材が満月図から新月図に変わったので、満月と新月の違いについて考えてみましょう。満月図では、ホロスコープにおける大きな2つの光の源である太陽と月は180度で対面している「オポジション」という角度になっています。オポジションは、意識しているテーマの異なる他人同士が、対立しあい、お互いのテーマを主張しあうことにより問題をはっきりさせていくという動きが象徴されています。そして、オポジョンでは、2つの天体はもっとも離れており、その後、だんだんと近づいていく過程が始まります。つまり、明確に意識されたテーマを具体化し、全体性を再獲得していこうというテーマも含まれています。

これに対し、今回のテーマである新月は、太陽と月は、同じ位置にあり、「コンジャンクション」という角度になっています。同じ位置ということは、同じ性質を共有しているので、新月の前から新月になっていく過程は「やっと自分らしい場所へ戻ってきた」という印象があるかもしれません。また、一緒に重なった状態というのは、「未分化」という側面ももっており、具体的になっていない、概念的で総合的な意識として働いていることが考えられます。以前、例に出したように、新月と満月は、ちょうど母親に抱かれて安心している赤ん坊(新月)と、母親を忘れ興味の対象へと歩いていった赤ん坊が母親を思い出し振り返っている状況(満月)の対比によりイメージができるでしょう。そして、このとき赤ん坊の中にある「意識」が太陽のテーマを象徴しています。つまり、新月図の解釈では、一つの冒険を終えて戻ってきた赤ん坊が母親の腕の中で安心し次の冒険を夢見ている状況で、「どんな冒険を夢見ているのだろう」ということを理解することが目標になります。

新月図のポイント

では、実際の新月図を考えていきましょう。「赤ん坊」は、これから一カ月の間にとんなことをしていきたいと夢見ているのでしょうか。新月は、乙女座の5番目の度数で起こっています。赤ん坊の夢は、乙女座のテーマを強く意識しているわけです。乙女座は、他人や周囲の世界にどのように具体的に関わり、役立つことができるかということを意識しています。実務を意識するサインと考えることもできます。つまり、赤ん坊は、新しい役に立ちかた、機能のしかた、仕事のしかたを夢見、探しているのです。今回の新月図では、この赤ん坊の意識と一緒に動いているいろいろな次元の動機(天体)がたくさんあります。新月は、金星、木星とコンジャンクション、火星、天王星とオポジションになっています。10の天体のうち6つがこの部分に強く関わっています。中でも遠い天体の組み合わせは、長期的なトレンドの方向性に関わりますので、木星と天王星がこのオポジションに含まれていることには注目すべきでしょう。

木星と天王星のオポジション

木星は、社会的な活動の可能性やバリエーションを広げたり、モラルや常識感覚を作っていく働きがあります。許せる範囲を作ったり、みんなで社会的な活動を盛り上げていこうと扇動する働きもあるでしょう。天王星は、通常の社会で意識する範囲を越えたところでの情報交換などと関係があり、社会的な構造や常識として定着している秩序を変化させる働きをもっています。私はときどき、土星と木星を店長さんと店員さん(つまり、店自体を維持する責任をもっているか否か)という対比で考えます。これは、最近の映画では「踊る大捜査線」の青島刑事(織田裕二・射手座)と 本庁の室井(柳葉敏郎・山羊座)の関係のようです。組織の一部としての責任を強く意識している室井と、現場でのものごとを対処する哲学を重視する青島刑事とのかかわり合いの中に、土星と木星を組み合わせていくテーマのさまざまな側面が描かれていると感じられます。さて、この組織の立場を代表しようとする室井が「改革派」になってくると、このような土星と木星の関係が、天王星と木星との関係っぽくなってきます。室井が組織構造の意義をよく理解した上で「改革」を意識している部分は天王星の象徴の側面を具現化しているかもしれませんね。例えば、天王星は、ある意味で、社長の集まりのようなもので、組織活動の酸いも甘いもよく知っている人々がみんなで理想的な組織像を探ろうとしているようなイメージです。つまり、天王星はよりよい組織構造を試したい動機に満ちているのです。このような天王星が木星と関わるときには、自分の組織の存続を必死に守ろうとする土星とは少し変わった反応が起こるのではないでしょうか。土星のように「規則は規則だ」とむりやり押しつけるのではなく、天王星は、集団に属する個人個人の利益をきちんと考慮し、改善点を認識しています。そんな天王星に木星が接触すると、改革のアイデアに賛同する人々を集め、いろいろな組織活動を起こしてみるかもしれません。もちろん、改革は成功するとは限りませんが、いろいろな冒険的な動きが起こりやすい状況になっているかもしれませんね。今回の新月は、このような木星と天王星の構図の中で、現場(店員さん)の活気を盛り上げようとする木星側で起こっています。つまり、組織改革のアイデアを試そうとしている相手を意識しながら、どんな実務(乙女座)が可能か夢を膨らませているイメージです。

金星と火星のかかわり

この新月と木星が天王星とオポジションになっているところに、さらに、金星と火星も関わっています。これは、ただ単に夢を膨らませるだけでなく、それを実現するために具体的な対象を選び(金星)行動に移していこう(火星)という動機も一緒に働いています。このため、思い描かれた改革の夢は実行されやすい状態になっていると考えることができます。火星は9月の終わりまで逆行しているので、実行力はしばらくの間個人個人の心の中で強く意識されている状態かもしれません。

その他の天体

さらに、これらのオポジションに対して土星も関わっています。土星は新月や金星に対してセクスタイル、火星に対してトラインになるようなかたちで関わっているので、これらの改革を目指した試み的な活動は、きちんと社会の中で実現できるという条件も意識していることになります。しかし、水星、海王星、冥王星は、他の天体とアスペクトを組んでいないので、水星の示す「情報や手順の共有」や海王星、冥王星のテーマである「もっとも根本にある複雑な部分の解決」に関しては、多くの人が目的を共有しにくい状態にあるでしょう。

今回は新月なので、これらの天体配置のイメージを人々がそれぞれ個人的な動機として意識しやすいのではないでしょうか。

実際のシンボル

では、今回も抽選でひとつ天体を選んでサビアンシンボルを考えていきましょう。今回のテーマは、金星です。金星は、乙女座の7番目の度数にあります。シンボルは、

VIRGO7:A harem.(ハーレム)

です。金星は、行動の目標や対象として選ぶものに関する価値観や美意識などを表します(そして、火星はそれをどのように実現するかという実際の行動のしかたを表します)。目標にする価値観が「ハーレム」というのは、どういう意味なのでしょうか。例によって、サインのイメージから少しずつ的を絞って理解していきましょう。

まず、乙女座自体にはどんなテーマが含まれているでしょうか。各サインの一番始めの度数は、そのサインのテーマの核になる部分を象徴します。

VIRGO1:A man's head.(男の頭)

乙女座は、実用性や五感で確認できる機能を重視する地のサインに属します。そして、獅子座から蠍座までの「特定の相手や対象と関わることを通して体験していこう」とする方向性をもっています。頭、とくに顔には人それぞれいろいろな表情があります。内面の気持ちの動きをいろいろなかたちで微妙に表現します。頭の中には脳みそが入っており、さまざまな状況に適応した高度な判断が可能になっています。それが具体的に表現される(地)のが乙女座のテーマの中心です。

LEO1:A case of apoplexy.(脳いっ血の症例)

一つ前の火のサインである獅子座では、「頭の中に血がのぼる」ことがテーマでした。乙女座では、その頭の中で起こったいろいろな動機や判断が顔の表情を始め、さまざまなかたちで実際に外に実際的に表現されることがテーマなのでしょう。

「ハーレム」のシンボルは、そんな乙女座の最初のデーカン(10度域)の後半に入っています。最初のデーカンは乙女座のテーマを自分自身の中で主観的に体験していく過程です。そして、その後半は、前半で能動的に表現したものの効果を受動的に感じる体験を通して乙女座を理解していきます。では、乙女座の最初のデーカンの後半の5つの度数のシンボルを順番に見ていきましょう。

VIRGO6:A merry-go-round.(メリーゴーランド)

前半の最初の「男の頭」では、内面の気持ちを表情として物質的具体的なかたちで外に向けて表現することがテーマでした。後半の最初のこの度数では、「メリーゴーランド」の物質的な動きがいろいろな感覚や気持ちを揺れ動かすのを認識することがテーマになっています。

VIRGO7:A harem.(ハーレム)

メリーゴーランドでは、動きが気持ちを揺れ動かすこと自体に注目していました。「ハーレム」では、そんな気持ちの動きを引き起こす物質的な条件のほうを積極的に探究しようとします。今回の新月の金星は、そういうテーマに焦点を向けています。

VIRGO8:First dancing instruction.(最初のダンスの練習)

ダンスは、さまざまな気持ちや感覚とからだの動きの関係を体験し、それを通して表現できることを学んでいきます。動機を実行できる技術、あるいは自分の振る舞い方を学んでいる姿でしょう。

VIRGO9:A man making a futurist drawing.(未来派の絵を描く男)

4番目の度数は、その5度のまとまりのテーマをいつでも安定して実現できるような訓練をし、知恵や技術として結晶化します。「未来派の絵」は写実的ではなく、抽象的な感情をそのまま物質的なキャンバスと絵の具で表現する訓練のようなものです。

VIRGO10:Two heads looking out and beyond the shadows.(影の向こうを覗く2つの頭)

5番目になると、その5度のまとまりで体験してきたものが全体の中でどんな働きをしていくのかということがテーマになってきます。この度数は、物質的に表現する力がさまざまな無知や不理解を乗り越えて、いろいろな状況をコントロールすることができるのではないかという希望、あるいは、コントロールしていこうという意志が表されていると感じられます。

さて、金星の「ハーレム」は、このように「いろいろな感覚や感情は、実際にからだを動かしたり、物質的具体的なかたちで表現することにより、味わったり機能させることができる」ということを学ぶ最初のテーカンの後半部でのテーマの流れの中の1シーンなのです。その中でも、2番目なので、その体験は「何と何の間で働いているのか」ということを意識していくのが主題になっています。これは、いろいろな場面を踏まえてもう少しよく考えると「きちんと感謝され目的を果たす仕事のやり方」をその仕事のどの部分が効果を生むのかということをきっちり見分けながら見つけていくというテーマになりそうです。ハーレムというと欲望渦巻くシーンを連想しますが、おそらく、ポイントは「何が何を起こすのか(2番目)」ということを個人個人が(第一デーカン)いろいろなかたち(柔軟のサイン)で見つけていくことでしょう。そして、これが金星の「行動の対象や目標選び、あるいは、価値観形成」の機能の働きとして現れてくるのです。

(星座とサビアン・その14より)
posted by ryu at 15:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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