2007年03月23日

2003.09.26 新月

前回から新月のタイミングになっています。満月は「オポジション」、つまり、太陽の創造エネルギーが効果を表す「対象を意識すること」がテーマであるのに対し、新月は「コンジャンクション」なので、「どんな新たな展開を生み出そうか」ということ自体がテーマになるというお話をしました。しばらくは、この「新たな一カ月の可能性の芽」に着目して考えていきましょう。みなさんもこれらの分析から感じられる方向性を意識しながら、自分の動機を実現するにはどんな行動をとっていったらよいかを考えてみてくださいね。

では、さっそく新月図を見てみましょう(2003.09.26.12:09.Tokyo)。新月は、天秤座の最初のほうの度数で起こっています。最初のほうの度数というのは、サビアンの解説でよく説明していますが、そのサインのテーマを個人個人が内的に意識するというニュアンスがあります。天秤座は、「相手の動きを意識し、バランスをとるように動く」ことがテーマです。つまり、基本的には、個人個人がこのテーマを内面的に意識し、体験していくことが今回のテーマになっているのです。手をさしのべられれば喜んで握手したり、あるいは、目には目を歯には歯をという「バランス」を意識するのかもしれません。秋のきれいな景色に反応する自分の心を楽しむのもよいかもしれませんね。

この新月に対してメジャーアスペクトは形成されていません。このため、この動機は直接動かされにくく、気持ちだけ盛り上がり具体的な対象や体験領域を得られにくいかもしれません。しかし、もう少し詳しく見ると、新月は火星や天王星に対してクインカンクスを形成しています。クインカンクスは、2種類の相入れないものを両立させるために頭脳的な工夫をしたり、構成要素に分解して再構築していくという意味があります。どんな頭脳的な工夫をするのでしょうか。

まず、火星と天王星について考えてみましょう。天王星は広い範囲での情報網やより大きな視点への覚醒作用を表しています。火星は内面の動機を主張や行動として表に表す働きがあります。これは、はっと気がついて行動したり、いきなり動きの方向を変えたりという傾向ももつので衝動的な行動や事故が起きやすくなります。しかし、多くの人々がいっぺんに目覚め、改革的な行動を始め、世の中に新しい意識が浸透していく勢いを増す効果もあるかもしれません。もちろん、新しい要素が入ってくるためには古いものが道を譲らなければなりません。オセロゲームのように、見かけの建前や秩序にの上に大衆の現状の意識が一気に露呈し効果が働き始めるイメージかもしれません。ちなみに、火星と天王星は、火星が今回の逆行を始める前の6/24に形成されており、また、この新月の直後に火星が順行に移る際(9/27)に正確なアスペクトまでは至りませんが1度以内まで接近します。この6/24には、世界の家電17社がデータのやりとりの統一規格をつくるグループを設立というニュースがあり、以前、土星と天王星で話題にした「三位一体」などを含む改革の動きの中でも具体案の提示などが起こっています。なお、この火星と天王星に対して木星のオポジションができている最近、爆発や化学的な火災などの事件や事故が増えている傾向も見られます。注意を怠らないようにする必要があるでしょう。

さて、今回の新月では、天秤の「協力活動により何かを生み出そう」というテーマがこのような火星と天王星の「改革活動」をいっしょに意識することになります。そして、クインカンクスですので、一緒にするために「分解再構築の頭脳的工夫」をすることになります。「改革活動と表面的平和のための協力との間の相入れない矛盾点を考える」というイメージかもしれません。タイミングとしては、政治の場面では、総裁選が終わり、新たな閣僚が決まり、その後の方向性を考えようとしているところですね。これらの天体に代表されるテーマの間の「矛盾点」についての議論が活発になりそうです。

他のほとんどの天体はもう一つの話の流れ(アスペクト群)に属しています。こちらの群には金星と土星のスクエアと水星と冥王星のスクエアという2つの動きの中心が出てきそうです。金星と土星は、例えば、「古いルールや秩序(土星)にしたがって協力(金星)せざるを得ない葛藤(スクエア)」とか「社会的に通じる(土星)理性や価値観(金星)を求められる(スクエア)」などと解釈できるかもしれません。水星と冥王星は、例えば、「心の奥の複雑なものを刺激するような(冥王星)発言(水星)が原因で対立(スクエア)」や「タブーや普段抑圧している民衆の本音(冥王星)をコミュニケート(水星)しようとする努力と葛藤(スクエア)」などと解釈できるかもしれません。これらの2つのテーマは海王星をも介して複雑に絡み合うように働くでしょう(相互のクインカンクスなど)。今回の新月は、このような背景の中、「改革活動と表面的平和のための協力との間の相入れない矛盾点を考える」工夫をしようとしているようです。

実際のシンボル

さて、今回もこのようなテーマをもっている新月図の中から抽選で天体を一つ選んでそのサビアンシンボルを考えていってみましょう。今回は、前回に引き続き金星に注目してみましょう。金星は前回の乙女座からサイン一つ進み天秤座に入っています。行動力の火星も、知恵や思考力の水星も逆行で足踏みしている中、力を合わせるための価値観/対象選定の金星だけは次のテーマへと進んでいます。そんな金星は、

LIBRA14:A noon siesta.(正午の昼寝)

というシンボルの度数にあります。正午は人々が盛んに活動している時間帯ですが、そんな時間の昼寝はどんな効果があるのでしょうか。例によって、天秤座の星座の意味からスタートして順に考えていってみましょう。

天秤座は、春分点のある牡羊座から180度反対側の星座です。春分も秋分も昼と夜の長さが同じで「バランス点」という働きがあります。北半球では、春分から夏へ向けて昼の長さが長くなっていきます。これには、太陽エネルギーの供給量が増えるため個々のエネルギーが増加していくということが象徴されています。それに対して秋分から冬へ向けての期間は太陽エネルギーの供給量が減っていく過程ですので、少ないエネルギーを使い回す工夫をしていくことが象徴されます。つまり、牡羊座は「エネルギーが増え始めた、どうしよう(何に使おう)」という動機に対応し、一方、天秤座は「エネルギーが減り始めた、どうしよう(どう節約し、うまく使おう)」という動機に対応しているのです。「少ない」エネルギーや資源をみんなで能率よく利用するための工夫をし始めるという方向性をもっているのでしょう。

天秤座は、風のサインであり、情報の交流や理論、関係性の効果に関連します。さまざまなやり方を試しては、多くの人々が納得するような「美しい」やり方を見つけていきます。そして、それらは、牡羊座で動き始めたエネルギーを「あっちへ使おう、こっちへ使おう」と方向を定めながら動かし、価値観や美意識を洗練していきます。金星の働きには、天秤座に関連の深い部分があり、今回の金星は天秤座にあるので、そんな天秤座の働きを増長します。

このような天秤座のテーマをまとめると、相手の動きに反応して動く(相手の動きを誘発する)、さまざまな活動から美意識を洗練させるなどのポイントが考えられるでしょう。天秤座全体を代表する最初の度数のサビアンシンボルは、

LIBRA1:A butterfly made perfect by a dart through it.(突きとおす針により完璧にされた蝶)

昆虫の標本の中にある蝶が加えられている場面のようです。さまざまな特徴をもった蝶が飾られ、種類別に並べられている中に加えられることにより完璧になりました。蝶は、その外見の美しさにより種別され、標本に並べられたのです。「相手の動き」により標本に加えられるテーマや標本という「美意識の洗練」に関するテーマがよく表現されているでしょう。

さて、今回のシンボルは、この天秤座の中の第2デーカンに属しています。第2デーカンは星座のテーマを具体的な対象や相手と関わりながら意識していく特徴があります。以前、このシリーズの第3回目に天秤座を扱ったときに、第1、第2、第3デーカンの最初のシンボルを比べ、それぞれ天秤座のテーマを、まず、どんなものなのかを理解していく(第1)、対人関係の場面で意識していく(第2)、集団の中で理解していく(第3)という具合に視点が変わっていくことを説明しました。

LIBRA1:A butterfly made perfect by a dart through it.(突きとおす針により完璧にされた蝶)
LIBRA11:A professor peering over his glasses.(眼鏡ごしに覗き込んでいる教授)
LIBRA21:A crowd upon the beach.(海岸の群集)

その中で、第2デーカンでは、対人関係などの場面でそのテーマがどう生かされていくかを意識していく過程であることがわかりました。さらに、今回の度数は、その第2デーカンの前半にあります。前半では、そのデーカンのテーマを自分から働きかけるという方向性をもっています。順に見ていってみましょう。

LIBRA11:A professor peering over his glasses.(眼鏡ごしに覗き込んでいる教授)

教授は、洗練された知識(美意識)を生徒に伝えます。そして、たくさんいる生徒の中でどんなレベルなのかを評価します。つまり、美意識や優劣の評価を対人関係の場面で発揮しているのです。

LIBRA12:Miners emerging from a mine.(鉱山から出てくる炭坑夫)

さて、第2デーカンの最初の度数は、「洗練された美意識」自体に注目していますが、2番目の度数はそれが引き起こす効果のほうに注目が移ります。さまざまな炭鉱夫は鉱山で地下に眠っている鉱物資源を掘り出そうとしていたのです。そして、美意識や知恵の結果は鉱物がどれだけ掘り出されたかということに如実に現れてきます。

LIBRA13:Children blowing soap bubbles.(しゃぼん玉をふくらませている子供たち)

3番目の度数は、1番目と2番目の相互作用を少し離れたところから理解していく過程です。子供たちは、知識や美意識とそれらを行動化した結果もたらされるいろいろな体験の関係を理解しようとしています。

LIBRA14:A noon siesta.(正午の昼寝)

4番目の度数は、3番目で得られた理解をより確実なものにし、実用化していこうとする視点です。正午は人々がいろいろな仕事をしている時間ですが、このときに昼寝をするのは心の深いところから湧いてくる発想を待っているのでしょう。夢の中でシャボン玉をいくつも膨らませ、最適なものを選んでいく訓練といってもいいでしょう。

LIBRA15:Circular paths.(環状の道)

5番目の度数は、4番目で確実化された能力を全体に対して創造的に利用する工夫をする視点です。4番目の度数では、相手や対象に反応して最適な知識や美意識を選びそれにしたがった行動を促すために、3番目で得たさまざまな可能性を無意識を利用して統合しましたが、5度はそのような過程を繰り返して日常的な問題解決に美意識を利用する工夫の現れでしょう。どんな方向からの動きにも反応できるように円運動で待機しているようなイメージがあります。

天秤座の第2デーカンの前半にはこのような流れがあります。その中で今回の金星は「正午の昼寝」のシンボルの位置にあります。さまざまな美意識を頭の中で膨らませ、夢見、それらがたくさんつまった無意識からの判断を仰ぐ様子は、例えば、国の政治でいえばいろいろな議論に対する国民の世論に敏感になっているイメージにもつながります。しかし、これは蟹座の土星の「古い権力構造で情のつながりを維持しよう」という動機と葛藤しています。太陽は天秤座を照らしていき、半月ほど経ち、動機が熟してくると牡羊の月との間で満月になり、具体化が始まるのでしょう。

(星座とサビアン・その15より)
posted by ryu at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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