2007年03月23日

2003.12.23 新月

前回の射手座の日蝕の「社会参加」のテーマを小泉首相は「自衛隊派遣による国際社会への参加」という方向で動かしたようですね。前回の新月図の中の重要なアスペクトだった水星と冥王星、火星、木星の間で形成されていたTスクエアの度数あたりをトランジットの太陽が通過していく際にさまざまな議論が巻き起こりました。冥王星も関連するとても複雑で奥の深い問題を動かさなければならないので、政治家だけでなくみんなで考えていきたいものです(冥王星は一人一人の生活にも関連するテーマになりやすいのではないでしょうか)。また、みなさんの生活の中ではこれらのTスクエアのテーマをどのように扱っているでしょうか。日蝕なので、少し長期的な視点でじっくり動かすテーマを考えておくとよいかもしれませんね。

山羊座の新月

では、さっそく今回の新月図(2003.12.23.18:42)を考えていきましょう。新月は山羊座で起きています。山羊座のテーマは、「全体をどううまく機能させるか」ということです。地のサインは、物質的で五感で感じられる次元で実際的な効果をあげることがテーマになりますが、12サインの中で最後の4サインに入る山羊座は、そんな地の元素のテーマを自分を包み込んでいる全体性の中で実現していこうとします。このため必要な条件が全部そろうまで満足できなかったり、集団全体を評価し管理したりすることが得意になります。指導者が権力を行使したり、ルールを守らせたりすることがメインテーマになります。ちなみに、今回の新月の度数のサビアンシンボルは、

CAPRICORN2:Three staind-glass windows, one damaged by bombardment.(3っつのステンドグラスの窓、一つは爆撃で損傷している)

です。これは、山羊座の「集団の管理」を行動に移した際の周囲の反応に直面するというテーマがあります。もちろん、素晴らしいルールのもとに管理をすれば抵抗はおきにくいかもしれませんが、たいていルールに従わせようとした場合、何らかの抵抗にあいやすいでしょう。この度数は、このような「ルールに従う・従わせる」という山羊座の性質を行動に移したときの周囲の反応と直面することを通して山羊座の働き自体を意識するという特徴があります。なお、2001年9月11日アメリカの貿易センタービルが攻撃されたときにノーアスペクトの火星があったのはこの度数です。権力の行使に対する反応の中には「ステンドグラスを破壊」するようなものもあるので注意が必要です。

新月へのアスペクト

この新月には天王星がセクスタイルになっています。また、火星がスクエアになっています。この火星は金星とはセクスタイルになっています。セクスタイルというのは、友達同士が協力して問題に取り組んでいるイメージです。つまり、新月と天王星の友達同士と火星と金星の友達同士の活動が火星と新月のスクエアを通して対立しているようなイメージに整理できるかもしれません。天王星は多くの人々の集団的な意向が明らかになることに関係しています。人々の意見の力で方針の変更が意識されるかもしれません。金星と火星は目の前の目標に向かって活動している様子がイメージされます。金星の目標は水瓶座の「ルールの変更」であり、火星は牡羊にあるので「いちかばちか行動してみよう」というような勢いで活動しています。そんな火星と太陽はスクエアになり、緊張しています。新月は、水瓶座の終わりにある天王星の「考えつくされた意見」に支えられているとはいえ、牡羊座の火星により「実際に新たな行動をする」ためにはさまざまな葛藤を乗り超えなければなりません。この緊張は、決められたルール(山羊新月)にしたがって現場で実際の活動をする(牡羊火星)際の葛藤とも考えられますが、既存の権力や体制(山羊新月)に対する個人の抵抗や攻撃(牡羊火星)としても考えられます。水瓶座の金星は、同じく水瓶座にあり、その支配星でもある天王星を尊重しており、火星とセクスタイルになっているので、葛藤や対立の解決には水瓶座のテーマが重要になってくるでしょう。水瓶座は、すでに決まったルールではなく、立場や境界を超えた人々みんながうまく協力しあえる構造を見いだし、作っていこうとすることがテーマです。

その他のテーマ

今回の新月図では、このほかに水星と土星のオポジションとそれに関連して動きやすい海王星(海王星はメジャーアスペクトのない「ノーアスペクト」という状態です。マイナーアスペクトでは土星とクインカンクス、水星とセミセクスタイルになっています)。水星と土星の組み合わせは、公式見解の発表やルールや秩序に則った情報交流、権力による情報の管理、あるいは、権力に対抗するような情報(オポジション)、責任追求などのイメージがありますが、海王星もいっしょに働きやすいので、夢や空想、理想、幻滅、作り話などの要素も含まれるかもしれません。また、木星と冥王星は引き続きスクエアになっています(木星は、正月早々に冥王星と正確にスクエアになる前に逆行を始めます。大きなビジョンやトレンドの変化は順行に戻り正確にスクエアになる8月までおあずけかもしれません)。木星は「みんなで素晴らしい社会をこんなふうに作っていきましょう!」という気持ちが働きやすい条件を示しています。乙女座なので他人のために実質的に役立とうとしながらそういう気持ちを盛り上げるのでしょう。その木星がもうすぐ冥王星とスクエアになり、冥王星のテーマをいっしょに意識し始めようとしています。これらは、すでに、水星の「メディアなどの個々の情報」や金星の「個人の価値表現」、火星の「個人の活動」など、近い天体を通して具体的に表現されてきているでしょう(前回の新月=日蝕でも重要なテーマになっていました)。冥王星は、しっかりと全体の満足が考えられておらず、見過ごしていると組織全体のまとまりが危ぶまれるようなテーマを意識させようとします。木星は社会的なビジョンやトレンドのようなものですが、これが冥王星とスクエアになることにより変化しようとしているのです。

実際のシンボル

では、今回もこの新月図の中から抽選で一つ天体を選び、そのサビアンシンボルを考えていってみましょう。今回は、火星に注目します。火星のある度数のサビアンシンボルは、

ARIES5:A triangle with wings.(羽のある三角)

です。とても抽象的で、マグリッドの絵のようなイメージもありますね。三角といえば、尖がっているイメージもあるし、成長していくイメージもありますね。また、羽は空を飛んでいく「自由さ」や未来に対する希望のようなものを感じさせるでしょうか。では、例によって順番に考えていってみましょう。

この連載も、始まってすでに1年半程度経ちますが、これまでに牡羊座はまったく扱っていませんでしたね。今回は、12星座の最初の星座である牡羊座の中でも最初の5度がテーマです。ゾディアック自体の起点である春分点に関わるところなので、まず、牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座の起点に対応するカーディナルポイントの働きについて説明しましょう。カーディナルポイントというのは、もっとも活動に結び付きやすい特性を持っている4つの点をさします。これらの位置では、太陽は進行方向を変えたり、昼と夜のバランスを変えたりし始めます。ヒューマニスティック占星術の提唱者であり、サビアンシンボルを追求したルディアは、このうち牡羊−天秤の「横方向」のペアを個人性の軸、蟹−山羊の「縦方向」のペアを集団性の軸と呼びました。この軸は内面の動機として成長してきたエネルギーが何らかの「活動」として最も表れやすいポイントなのです。

これらは、集団性の軸は「これまでにみんなで積み上げてきた文化を維持しその恩恵を受けようとする」行動に関連し、個人性の軸は「今、ここ、で自分がやりたいことを行おうとする」行動に関連すると考えると理解しやすいでしょう。蟹座は母親の保護や養育に関連し、山羊座は父親の組織や秩序の管理や維持に関わるとします。そして、牡羊座の「赤ん坊」は、世の中のことを何も知らない(実はいろいろな能力がからだの中に本能・遺伝子として備えられています)ところから始まり、父親と母親によるしつけや養育により社会人/生活者として適切な行動ができるようになっていくのです。

そんな生まれたばかりで活動力はあるが文化や体験の積み重ねによる指針のない牡羊座の主要なテーマは、(本能や直観として表れてくる)衝動を行動に移してみて自分(あるいは何らかの問題意識や活動のテーマ)の存在を証明することです。牡羊座の中でも、今回のシンボルが属しているのは最初のデーカンの前半です。最初のデーカンは、そのサインのテーマを個人的に、あるいは、組織活動の一部としてではない純粋な動機の表現として体験していく過程です。そして、そのデーカンの中でも前半はそのテーマを積極的に表現し働きかける過程です。では、そんな牡羊座の最初の5つの度数のシンボルを順に見ていきましょう。

ARIES1:A woman rises out of water, a seal rises and embraces her.(女性が水から上がり、アザラシも上がり彼女を抱く)

これはちょうど赤ん坊が「おぎゃー」とこの世の中に生まれ出てきたような度数です。赤ん坊は何もわからず衝動にまかせて声を出したり手足をばたつかせたりします。母親やその環境からの保護がなければ死んでしまいます。しかし、赤ん坊にとっては母親も周囲の環境も敵も味方も何もわからないのです。そんなわけのわからない既存の文化が赤ん坊には「アザラシ」として感じられるのかもしれませんね。

ARIES2:A comedian entertaining a group.(グループを楽しませているコメディアン)

1度では、自分の衝動を表現すること自体がテーマでした。しかし、次の2度になると、思いきって行った行動に対する周囲の反応へ注目が移ります。コメディアンは、ウケるかどうかわからない自分の芸を思いきってみんなの前でやってみて、その反応に注目しています。

ARIES3:The cameo profile of a man in the outline of his country.(彼の祖国の形をした男の横顔の浮き彫り)

思いきった行動をし、その反応に注目することを繰り返していくと、どんな行動をすれば人々がどんな反応をするかがわかるようになってきます。そして、人々がよい反応をするような行動ができるようになっていきます。このようにして身につけた行動は反応する周囲の人々や地域、「祖国」の特徴を代表するようなものになっていきます。

ARIES4:Two lovers strolling through a secluded walk.(隔離された歩道を歩く2人の恋人)

3番目の度数は、そのセクションのテーマのいろいろな可能性を理解し、応用していくことを意識しますが、4番目の度数ではそれを具体的な課題をしっかり実行できるような技術に変えていきます。「恋人」はそれぞれが男性や女性の役割を認識して行動します。ここでは、多くの人々に期待される行動ということだけでなく、自分の特徴を生かした役割分担の意識も芽生えそうです。

ARIES5:A triangle with wings.(羽のある三角)

5番目の度数は、4番目である目的のために利用できるようになったものを自分、あるいは、組織全体の中のより広い範囲で役立てられるような工夫を加えていきます。三角というかたちはいろいろなものを想像させますが、人間関係の中には三角関係というものがあります。フロイト的な発達心理学では母と子の関係がしっかりできてきた後のエディプス期のテーマに当たるかもしれません。自分自身や他の2人についていろいろ考えを巡らせながら適切な立場を探していこうとする心理が強く働きそうです。羽が生えているので、それは地面から離れ、抽象的な世界(空)へ飛んでいってしまいそうですね。

さて、今回の新月図では、火星がこの5番目の度数にあります。つまり、火星はこのような抽象的に盛りあがった思想を意識して行動しようとしています。火星にとって牡羊座は働きやすい星座です。つまり、戦いを先導する将軍が士気のあふれた兵士たちの間にいて支持を得ているようなものです。今回の新月は、このように抽象的な思想で盛りあがり、士気にあふれた火星を組織の全体的な視点からしっかり管理しなければならない(山羊座)、つまり、ある意味で暴走を食いとめなければならないようなイメージの課題を持っていそうです。

(星座とサビアン・その18より)
posted by ryu at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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