2007年03月23日

2004.03.21 新月

前回の新月は、天王星のテーマと海王星のテーマが強調されていました。新月と一緒にあった天王星は頭脳的な考えや理想的なあり方を追い求める動機をもたらしましたが、いざ、実際に活動しようとすると海王星の周囲の空気や夢などの心理的な影響に惑わされる(火星と海王星のスクエア)ような感じもあったかもしれませんね。今月はどうでしょうか。さっそくチャートを見てみましょう。

牡羊座のあたまで起きる新月

今回の新月(2004.03.21.7:41JST)は、牡羊座の最初の度数で起きます。牡羊座というのは、内面で湧き起こったいろいろな動機や欲求を現実の世界の中で実現させようと行動化するテーマをもっています。心の中で思い描いている(前の星座である魚座のテーマ)ことは、実際に動かしてみるとまったく違うふうに感じたり、予想していなかった問題や障害に直面するかもしれません。夢の全体像を認識することよりも、目の前の世界のものごとや課題に対処するという活動が増えるかもしれません。牡羊座は、夢を思い描く魚座の段階を通過して現実の世界で行動化しようという動機がとても強まっていますが、初めて行うことばかりでやり方をよくわかっておらず、体当たりで挑戦をしながら経験を積んで行く段階です。つまり、これから一ヶ月はそんなイメージに象徴される新しい活動へ積極的に挑戦していこうという意志が働きやすくなり、いろいろな試みが開始されるでしょう。この新月には、火星がセクスタイルになっています。これは、そんな牡羊座の意志がスムーズに行動化されやすい状態であることを示しています。しかし、この火星は天王星とはスクエアになっているので、予期しない錯乱の影響があるかもしれません。「予期しない」というのは、目の前の活動に夢中になっている火星の立場からの話であり、天王星はしばらく前から土星とトラインになっていて、古い秩序のよいところを守りながら少しずつ改革を進めてきている過程があります。その広い視野で働く改革意識の目的に、今回の新しい活動を実現しようという火星はうまく足並みを揃えることができず、思わぬ影響を受けやすい状態になっています。できれば、理想的な社会的な秩序や制度を考えようとする流れを考慮に入れた活動方法を工夫していくことができるととても建設的な動きにつなげることができるかもしれません。

木星と海王星の理想主義

今回の新月のチャートには、もう一つのアスペクトの塊があります。木星と海王星のクインカンクスが水星や金星と関わっている部分です。木星と海王星のクインカンクスは、昨年の10月から今年の7月までに3回起こり、その2回目が3月4日に起こりました。木星と海王星は、オポジションのときにとりあげましたが、一般の社会的なモラル意識やトレンドの中にまだ実現されていない夢を加えていこうとする動きに関係があります。海王星は、一方で現実のあり方に対して幻滅の感覚を与えますが、他方でそれを改善するような夢や理想を育む力をもっています。オポジションのときには、現状のモラル意識や世界観のどの部分を改善するべきか、どんな夢を実現したらみんなが喜ぶかという目標のポイントを探ったり問題意識として取り上げるような刺激があったのではないかと思います。多摩川にあざらしの「タマちゃん」が現れた2002年の秋ごろからオポジションの影響が起こっています。また、SARSが流行したときも木星と海王星のオポジションの影響が強まっていました。今回のアスペクトはクインカンクスですが、これには2つの天体の動機の間の矛盾点を調整したり、統合し新しいものに再生するか、うまく統合できずに相手を排除するなどの動きが起こりやすいアスペクトです(乙女や蠍のサインに対応)。木星は現実の社会で成功していく希望、海王星はまだ現実には現れてきていない理想や夢だとすれば、それぞれを変化させて両立できる道を探すか、さもなければ、社会的な成功から目をそむけ夢に閉じこもろうとしたり、あるいは、社会的な発展のために夢から目をそむけようとする気持ちが働くかもしれませんね。BSE問題や鳥インフルエンザの問題などは、社会的な不安(海王星)によりモラル意識や社会慣例(木星)が調整・変化(クインカンクス)させられている例かもしれません。そして、今回の新月図では、そのような動機は、水星の考えや会話、あるいは、金星の価値観や情緒の動き、ものの感じ方などの中に現れてきやすいかもしれません。今回の新月は、火星と一緒に新しいことを始めようとするときに、このような理想に関する葛藤も感じやすくなるのでしょう。

実際のシンボル

では、このような新月のチャートの中からひとつ天体を選んでサビアンシンボルを考えていってみましょう。今回は、新月の目指す牡羊座の「新しいテーマ」を開拓する原動力になる火星はどんなことに注目しているかということを考えてみましょう。火星は牡牛座の30番目の度数にあります。この度数のサビアンシンボルは、

TAURUS30:A peacock parading on an ancient lawn.(古代の芝地をパレードする孔雀)

です。孔雀は自然がつくりだしたとても美しい羽の模様が特徴的です。パレードする(一匹の)孔雀はそれを見せびらかしている様子ですね。自然に積み上げてきた豊かさを思いきり享受している雰囲気があります。では、いつものように順番に考えていってみましょう。

まず、この度数は「牡牛座」のサインの最後の度数です。牡牛座は2番目のサインです。最初の方のサインは、自分の動機や資質を確認しアイデンティティを確立していく過程に関係します(大きな流れでは、牡羊から蟹まででアイデンティティを確立し、獅子から蠍まででそれを他人との関係の中や目の前の環境で働かせることをテーマにし、射手から魚までで全体性の中でその効果を発揮し意義を確認するという流れがあります)。その中でもとくに2番目の「地」のサインは自分の動機を物質的なかたちで確認したり、味わい享受する方向性があります。牡牛座の支配星は金星ですが、金星はこの価値観を評価し堪能する過程を促進する働きがあります。その前の牡羊座+火星で動機を行動に移した結果を具体的で手で触れられるかたちで確認することが牡牛座のテーマになります。

では、サインの中身の働きを考えてみます。サインの中身も、やはり、順番にテーマの移り変わりがあります。12サインの中で4サインずつ3つの方向性があったと同じように、「牡牛座」というサインを意識する30度の過程の中にも、同様に10度ずつ3つの方向性があります。つまり、牡牛座の「物質的な豊かさを個人的に享受する」というテーマを体験する物語りの設定として、サビアンシンボルに対応する30のさまざまなかたちがあるのです。このとき、最初の10度はその動機を自分で行動に移し、評価する種類の物語り、次の10度は他人と自分の関係の中で体験していく物語り、そして、最後の10度は社会的な場面で利用したり、その効果を全体の中で意義付けする物語りの中で体験していきます。これらの10度の中で前半は主に自分から働きかけることが主眼になります。後半はその働きかけに対する反応を評価することが主眼になります。今回のテーマである牡牛座の30番目の度数は、最後の10度の中の後半に属します。このため、牡牛座の「物質的な豊かさを個人的に享受」しようとする動機を、社会的な場面で利用したり、意義付けしよう(最後の10度:第3デーカン)とする働きかけに対する反応の評価(後半)という物語りの中で体験していくわけです。

さらに、これらの物語りは5つのステップで進んでいきます。それぞれの度数を考えていきましょう。

TAURUS26:A Spaniard serenading his senorita.(恋人にセレナーデを歌うスペイン人)

第3デーカン後半の最初の度数は、まず、この領域のテーマに最初に接触します。牡牛座の「物質的な豊かさを個人的に享受」したい動機を社会的な場面で利用、あるいは、意義付けをする働きかけに対する反応に直面する場面です。「セレナーデを歌うスペイン人」は、物質的な豊かさや喜びを歌い上げ、恋人の反応によりそれを確かめようとしているのでしょう。

TAURUS27:An squaw selling beads.(ビーズを売るインディアンの女)

2番目の度数は、最初の接触や働きかけに対する反応に注目します。セレナーデを歌うスペイン人は、自分の気持ちを歌に込め恋人に届けられれば十分でした。しかし、ビーズを売るインディアンの女にとっては「いくらで売れる」かが重要になります。牡牛座は職人的な技術やそれがつくりだすものに関連しますが、このあたりの度数はその技術や作品が社会的に評価されていく過程に関連するかもしれませんね。

TAURUS28:A woman pursued by mature romance.(成熟したロマンスで求められた女)

3番目の度数は、1番目と2番目の働きかけと反応、あるいは、動きとその評価の繰り返しを少し離れたところから観察し、理解・応用していく過程です。個人的な能力や美意識、豊かさを求める力をしっかり身につけるとそれに見合った反応が返ってくるようになります。自分の才能のどんな部分が社会の中で「高く売れる」かを理解できるようになったのです。また、この度数は松村潔さんの「決定版!サビアン占星術」の解釈では、牡牛座から双子座へ抜け出す「脱出口」としても働くということです。(この本は各度数のより深い意味を考える際にはとても参考になりますので興味のある方はぜひご一読ください。しかし、このシリーズではとりあえず決まった手順でしっかり意味を組み立てていく練習をしています。)

TAURUS29:Two cobblers working at a table.(テーブルの前の2人の靴職人)

4番目の度数は、3番目の度数の理解を環境の中でしっかり働かせることができるように訓練し技術化していく働きがあります。「高く売れる」ものが理解できるようになると、その能力を競って維持していく必要が出てきます。一度大きなヒット曲を出した(才能や美意識が評価された)歌手が、次にはそれ以上の作品を期待され、それに応えるために頑張らなければならないようなイメージかもしれませんね。

TAURUS30:A peacock parading on an ancient lawn.(古代の芝地をパレードする孔雀)

さて、いよいよ今回のテーマの度数ですが、5番目の度数は、この領域の働きを全体のために積極的に利用していこうという意志を表わします。また、異なる視点からみれば、その領域の働きの意義やエッセンスに注目する方向性もあるでしょう。5という数字は特徴の大げさな表現に関連しますが、5つずつの塊では最後にあたるので、全体のために奉仕したり犠牲になったりする動きの特徴も出てきます。この第3デーカンの後半では、社会的に評価されるような才能や価値観の認識やその意義の理解、それを実現する訓練の過程をたどってきました。そして、最後の度数は、それがもたらす大きな目標の認識やそのために奉仕していく姿勢(全体のために犠牲になっていく動き)が現れますので、孔雀は社会奉仕のために自分の才能を披露している姿を表わしているのかもしれませんね。

火星の度数のイメージがだいぶはっきりしてきたと思います。火星は「エネルギーの利用の仕方」、あるいは、行動のしかたを表わすので、この新月の期間は、「個人的な才能を社会のために生かし、みんなが個々に豊かさを感じられる世の中にしていこう」という方向性を持った活動が注目されるのではないでしょうか。この火星は新月のある牡羊座を支配し、さらに、セクスタイルでアスペクトもしているので、新月の「まったく新しいテーマに取り組もう」という動機は、このような方向の活動を取り上げやすくなるのではないでしょうか。個人個人の幸せや生まれ持った才能を社会のために生かしていくような新たな動きを意識しながら、理想のあり方を塗り変えていく(木星海王星)、そんな動きが多く見られる一ヶ月になりそうです。

(星座とサビアン・その20より)
posted by ryu at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2004 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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