2007年03月23日

2004.04.19 新月

日本の古典占星術家として精力的に活動されている Kuni. Kawachi さんが「占星術概論」という本を出版されました(http://www.alles.or.jp/~kenroku/)。古典占星術は、現在一般的な、主に天体、サイン、ハウス、アスペクトの象徴を組み合わせて考える西洋占星術とは少し異なる手順でチャートを解釈していきます。そこでは、現在では忘れられかけている「天体の見かけの特徴や動き」や性質に関する考察をとても重要視します。古代から積み上げられたそれらの理論には、占星術を深く理解していくために考慮すべきポイントがとても多くありますが、反面、これまでは日本語で書かれた参考書が少なく、その概念すらあまり認知されていないのが現状でした。その中でこの本は多くの古典占星術書を参考に重要な概念をよく網羅しているので貴重な資料になるのではないかと思っています。

さて、前回は牡羊座の新月でしたが、火星と天王星の「予期しない錯乱」をどう乗り越えていくかがひとつのテーマでした。今回の新月(2004.04.19.22:21JST)も、また、牡羊座で起こりますが、今回は最後の度数です。近くには逆行している水星があります。牡羊座の新月は、「行動に移してみること」がテーマでした。その中でも最初の度数は、まったく自分での経験のないことを自分自身が試してみるために(第一デーカン)行動しようとするニュアンスです。牡羊座も最後になってくると、システムや社会全体のために思いきった行動をしたり、自分らしさを証明しよう(第三デーカン)とするような方向性が強くなってきます。そんな今回の新月は水星の情報処理やコミュニケーションの問題を多く取り上げそうです。個人個人がそれぞれのやりたいことを伝え合うことを通してさまざまな活動を積極的にスタートさせてゆくことができるかもしれませんね。あるいは、すでに意見交換したことを行動に移していくことがテーマになるかもしれません。牡羊座の支配星の火星は冥王星とオポジションになっています。「行動に移す」ときにとても複雑で重要なテーマと直面しているかもしれません。相手の動機をしっかりと把握して慎重に行動するとよいかもしれません。そんな複雑で微妙な状態を示す冥王星と水星はトラインなので(どちらも火星とのアスペクトへ向かっている)、深い動機をじっくりと考慮し、伝達しあうことが解決に繋がるヒントなのかもしれません。

金星木星天王星のTスクエア

さらに、金星を頂点として木星や天王星の間にTスクエアが形成されています。この中で一番動きの速い金星は、新月の5日ほど前に木星とスクエアになり、それらの天体の原理に基づく動機が発揮されやすい時期を迎えていました。木星と天王星との関わりは、よいことや楽観的なビジョン(木星)が突然認識(天王星)されたり、改革(天王星)のアイデアをひらめいたり(木星)などとして現れるかもしれません。そこに金星が関わると、それらの影響で情緒や価値観が刺激されたり、うれしく快く感じたりしそうです。ただし、スクエアになっているので過剰になりすぎたり期待外れになったりする可能性もあるので注意が必要です。なお、木星は土星とセクスタイルになろうとしているので、ビジョンは次第に実際のものごとの行い方に積極的に取り入れることができそうです。今月は、これらの動きを通して、牡羊座の「まず、行動に移して体験しよう」というテーマを追求していきそうです。

実際のシンボル

では、この新月図の中から天体をひとつ選んで、その度数のサビアンシンボルについて考えて見ましょう。今回は、新月の支配星であり冥王星とオポジション、そして、海王星とトラインになっている火星に注目してみましょう。火星の度数のサビアンシンボルは、

GEMINI19:A large archaic volume.(大きな古典書物)

です。冒頭の古典の話題はグッドタイミングだったかもしれません(笑)。古典書物にはとてもたくさんの重要な情報が載っていそうです。しっかりとした情報を見分け使いこなすことができそうなイメージですね。

では、双子座のサインの意味から考えてみましょう。双子座は最初のグループなので個人的な価値観を形成していく過程です。3番目のサインは、起承転結の「転」のように少し離れた別の視点(客観的な)から考えることにより理解を深めていきます。自分は何者で何ができるのかということを、ちょっと自分自身の動機から離れ周囲や他人を考慮に入れることにより、よりはっきりとつかんでいこうとしているのでしょう。双子座では「自分自身」から離れていろいろなものを考慮に入れるので、次の蟹座になって初めてそれらをまとめる自分自身の核を見つけるのかもしれません。しかし、この双子座の「周囲の冒険」によるさまざまな情報や体験がなければ、次の蟹座においてはっきりとした自分自身の姿を認識することが難しくなるのではないでしょうか。双子座は、自己実現のための方法論や技術を開拓するサインと考えてもよいかもしれません。

では、火星の度数のある第二デーカン、そして、その後半という視点も加えて考えてみましょう。第二デーカンは、サインのテーマを目の前の対象や相手との関係の中で実際に働かせた反応を確かめ、サインの性質を体感的に体得していく過程です。双子座では、知識や情報を他人の目の前で利用し、その効果を確かめるかたちになるでしょう。さらに、その後半になると、単に他人に働きかけるだけでなく、相手の立場をよく考慮したり、実際の効果を体感する側面が強調されてきます。この双子座第二デーカンの後半の部分を一度ずつ考えてみましょう。

GEMINI16:A woman suffragist haranguing.(熱弁する婦人参政運動家)

5度ずつの最初の度数は、その領域のテーマをまず動かしてみようとします。あるいは、それが機能している場面に遭遇し強い印象を受けると考えてもよいでしょう。双子座は言葉や情報を伝えたり伝えられたりすることがひとつのテーマですが、ここでは目の前に自分の言葉一言一言に反応する聴衆がいます。言葉が相手の中にどんな反応を起こすのかを実体験している場面でしょう。

GEMINI17:The head of health dissolved into the head of mentality.(知力の頭に溶けていった健康の頭)

このシンボルは少しわかりにくいかもしれませんが、2番目の度数は最初の度数の結果起こることに注目が移ります。熱弁家によりさまざまな「言葉」に対する反応を体験していくと(しゃべっている方も聴いている方も)どんな言葉がどう心に響くか、あるいは、共感を与えるかそうでないかなどを認識します。つまり、言葉(知力の頭)は、人々の体感(健康の頭)と結びついていくのです。

GEMINI18:Two Chinese men talking Chinese.(中国語を話す2人の中国人)

3番目の度数は、その領域のテーマをいろいろな場面で試し、理解し、使いなれていく過程です。理解し合うためには、共通言語が必要です。使用される言葉に応じて、古い体験も新たな体験も同じ言葉を話すコミュニティーの中の意識にのぼってきます。集団的な会話が(個人の頭の中でもそうですが)さまざまな体験の可能性や概念を保持し、あるいは、変化させていく、そんな効果を考えさせるシンボルですね。

GEMINI19:A large archaic volume.(大きな古典書物)

4番目の度数は、その領域のテーマをしっかりと使いこなせるように技術化します。ここでは、コミュニケーションや知識の集大成をつくったり、利用したりすることが考えられます。しっかりと体系だった知識や情報を認識したり、使いこなすことにより、会話や技術を確実な効果として利用することができるのです。4番目の度数ではしっかり働くかどうかがチェックされ、有用なものが残っていくのです。

GEMINI20:A cafeteria.(カフェテリア)

5番目の度数は、その領域のテーマを自分自身の全体の中でうまく生かしたり、次の領域のテーマに結び付けていく働きがあります。4番目の度数で確実に働く情報が選び出されると、5番目ではそれらをいつでも利用できる状態にしておこうという意図が働きます。カフェテリアにはいつでもおいしそうなメニューが並び、注文するとすぐに出てきます。

さて、このようなイメージの度数の中で今回の火星は「大きな古典書物」の度数にあります。新月の支配星でもあるので、この時期の目的や方向性を定めるのに重要な働きをします。冥王星の重大なテーマを目前にし、確実な情報を整理/構築し(古典書物)、それに基づいて意志決定や主張、行動化(火星)しなければならないテーマがありそうですね。占星術のより深い理解(冥王星)のために思いきって「占星術概論」(古典書物!?)のひもをといてみるのもよいかもしれませんね。

(星座とサビアン・その21より)
posted by ryu at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2004 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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