2007年03月23日

2004.10.14 新月

今度の新月は月のノードの近くで起こるので日蝕になります。日蝕や月蝕はだいたい半年ごとに起き、長期的な展開の節目を作っていきます。このため、通常の新月図より長期的な展望を視野に入れて考えたほうがよいかもしれませんね。

天秤座の日蝕

では、さっそく今回の新月=日蝕図を見てみましょう(2004.10.14.11:47.Tokyo)。新月は、天秤座の22番目の度数で起きています。新月や日蝕は、「これから何を作り出していこうか」という目的意識に関連します。新月図を積極的に生活に活かそうというときは、この時期に目的意識に加わる新たな方向性がどんな特徴を持っているかという視点で考えるのもよいかもしれません。天秤座は、知識や情報交換に関わる風のサインで、調和を好む金星に関係が深いサインです。活動のサインなので、どんどん話を進めていきたいのですが、他人の意向を比較しながら最善策を見つけていこうとする特徴があります。また、金星の外に現れた現象を取り入れ、評価し、価値観を作り、さまざまなエネルギーが調和して動く理想的な状態を創り出そうとする機能(これらは、牡牛と天秤のサインに振り分けられます)のうち、「理想を提示して活動を誘う」機能に強く関連します。現在、この天秤座には、他の多くの天体(水星、火星、木星)も同時に存在しているので、このテーマは行動化(火星)を含めいろいろな次元で追求されていきそうです。ただ、実行する(火星)ためには、理想通りにならない部分をも決断しなければならないので、難しさを感じる部分もあるでしょう。しかし、うまく妥協しながらなるべくみんなの理想に近いかたちで実現していく力はとても重要なので、その意義をしっかり理解しながら動かすことができるようになるとよいのではないでしょうか。今回の新月は、冥王星とセクスタイルになっています。これにより、目標の中に深い複雑な動機を建設的に動かそうという動機が入ってきます。冥王星は、自分とは異なる背景を持つ他人や集団の動機に合わせて行動することができるようになるために意識を広げる効果があります。しかし、そのためには自分や相手が本当に行いたいことを無意識に抑えて行動していることを認識しなければなりません。意識しにくいものを意識する過程では、難しいこともあるでしょうが、それが長期的には社会の動きの背景にある文化を変化させていくのでしょう。

新月の近くには水星と土星のスクエアがあります。水星には、ものごとを行うための具体的な方法論や技術、知識などを伝え合う機能がありますが、これが土星と関わると多くの人々にしっかり伝わるようにしようとする目的が加わります。これは、最初、「しっかり伝わっていないので集団的な動きを統制できていない」などという現状認識やそれに伴う劣等感を感じることなどから始まるかもしれません。そして、それに対処することは新しい知識の追求にはなりにくいので、つまらないものと感じるところもあるかもしれませんが、しっかりと集団で知識や技術を共有することにより、全体で行えるもののレベルがあがり、結果的には規模の大きいものごとを行うことができるようになります。その過程のよい面と悪い面の両方を意識しながら進めていくとよいでしょう。

火星は木星と比較的近い場所にあり(過去のコンジャンクション時の感覚を覚えている)、海王星とトラインになっています。木星とのコンジャンクションでは、他人と協力して(天秤座)新しい社会活動の可能性を追求する(木星)行動を行おうと強く意識しました。この印象は残り、その方向で動き始めているかもしれませんが、そこへ海王星は「密かな夢」を混ぜてゆきます。これは、実現すれば多くの人が喜ぶものかもしれませんが、そもそも現状では実際性が低いかもしれませんので注意する必要があります。もちろん、大きなビジョンを意識しながら行動に移すことは、後の発展性にとってよい影響を与える側面もあります。

そして、今回の新月図では、天王星と金星のアスペクトがありません。アスペクトのない天体は、例えば、「休みの日の発明家(天王星)」とか「休みの日のデザイナー(金星)」のように、能力はあるが、今、具体的な課題を持っていないようなイメージで解釈することができます。具体的な課題を持っていないと、その能力を何に活かそうか、いろいろ試したり、自分の楽しいことと結びつけたくなるかもしれません。もちろん、仕事の最中に疲れてしまって「もう仕事のことなど考えたくない」などと感じている人もいるかもしれませんね。そんなときでも、しばらく課題のことを忘れて放って置くと、休息ができエネルギーが溜りだし、だんだん動機自体が勝手に動き出してやりたいことに引っ張っていくかもしれません。こうして、自然にやりたいことを追求しながら力をつけるとアスペクトのない天体はとても強力に働く可能性があります。みなさんも自分の中の「発明家」や「デザイナー(芸術家)」にしばらく自由にやりたいことを追求させてみてもよいかもしれませんね。ちなみに、マイナーアスペクトでは天王星は木星と、金星は海王星とクインカンクスになっています。天王星と木星の組み合わせは、新たな発展の方向を見つけるのに従来の考え方を見直す必要があるかもしれません。新たな機械の操作を覚えなおしたりすることもあるかもしれませんね。金星と海王星は、イメージや理想像のつくりなおす機会もあるかもしれません。

今回の新月は、このような動きの可能性を秘めながら「協力関係の追求」を目標にしています。日蝕でもあるので、半年程度の長期的なビジョンを視野に入れながら考慮するとよいでしょう。

実際のサビアンシンボル

では、今回も例によって上のようなテーマを持っている新月図(日蝕図)の中からひとつ天体を選び、その度数のサビアンシンボルについて考えてみましょう。今回のテーマは木星です。木星は天秤座の5番目の度数にあります。この度数のシンボルは、

LIBRA5:A man teaching the true inner knowledge.(真の内面の知恵を教える男)

です。知恵を教えるというのは木星の性質にはぴったりのテーマのような気もしますが、シンボル自体は、自分の知識を他人に伝えようとする動機に注目しているイメージがありますね。

では、サインの意味から考えてみましょう。新月の解釈でイメージしたように、風の元素を扱い、それを活動的に動かしていきたい天秤座は、「情報や知識を使い積極的に人々と関わっていきたい」という衝動を持ちます。12サインを3つに分けると2番目の領域に入る天秤座は、自分と具体的な対象や相手との間で何か新しい動きを創っていく過程に注目しています。それは、自分だけの世界(1番目の領域)に留まらず、積極的に周囲の世界と関わり、やりとりをしていく過程の一部です。獅子座の「他人に対して何らかの影響を与えよう」という動機から始まったこの2番目の領域のテーマは、乙女座を経て、天秤座では3ステップ目になります。3ステップ目といえば、起承転結では「転」のステップです。自らの視点をしっかり確立し、提示した後、いったんそこから離れ、客観的にそれに対する反応や別の視点を考慮する段階なのです。自分の動機を現実の環境の中で効率的に実現するためには、自分の活動に関係する環境や相手をよく理解し、協力関係をつくっていくことが重要です。天秤座では、それを実現することに注目しているのです。

天秤座の中でも、今回のテーマの度数は最初のデーカン(10度域)の前半にあります。最初のデーカンでは、上のような天秤座の動機やテーマを個人的な側面で体験し、意識していく過程に注目が集まります。まだ、天秤座のテーマの意義も追求のしかたも難点もわからないところから、とりあえず自分で動かしてみて天秤座の体験を始めることがこのデーカンのテーマです。前半では、天秤座の動機を自分が行動化するところからはじまり、後半ではそれがどんなことを引き起こすかということを自分で確認し吸収していきます。そして、今回はその前半部分の5度に注目するわけです。

それでは、天秤座の最初のデーカンの前半の5度をひとつひとつ順にたどってみましょう。

LIBRA1:A butterfly made perfect by a dart through it.(突きとおす針により完璧にされた蝶)

この度数はサインの最初でもあるので、ある意味でサイン全体のテーマの象徴でもあります。針で刺された蝶は昆虫の標本を連想させます。標本の中に加えられることにより、完璧な観察対象になりました。素晴らしい外観が標本家の針を誘ったのです。天秤座の行動化の始まりは、「理想的な外観が相手の行動を誘う」という図式の中からスタートします。

LIBRA2:The light of the sixth race transmuted to the seventh.(六番目の部族の光が七番目のものに変質する)

2番目の度数では、1番目の行為により環境にどんな変化が起こるかに注目します。このシンボルは少し理解しづらいですが、6の数字は天秤座の前の乙女座に対応し、7の数字は天秤座に対応することもヒントになるかもしれません。1度で視点の変化が起こり、周りの景色(光)が天秤座のものに変わったとしてイメージしてもよいかもしれません。天秤座の景色とはどんなものなのでしょうか。想像してみてください。

LIBRA3:The dawn of a new day, everything changed.(新しい日の夜明け、すべてが変わった)

3番目は、1番目の自分の行為が2番目の環境の印象の変化に対応しているということをいろいろな側面で体験しながら理解していきます。ある意味で、荒井由実の有名な曲の詞にある「優しさに包まれたならきっと目に映るすべてのことがメッセージ」という感覚に通じるものがあるかもしれません。

LIBRA4:A group around a campfire.(キャンプファイヤーを囲むグループ)

4番目は、3番目の理解を具体的な環境でしっかり働かせることができるように技術化します。集団の中で率直な言葉を交わしながら他人の視点や感覚を理解し、「客観的」な感覚をつくっていきます。キャンプファイヤーという特別な場所をつくり、お互いに真意を伝え合い、それぞれの個性を自覚しようとしています。

LIBRA5:A man teaching the true inner knowledge.(真の内面の知恵を教える男)

5番目の度数では、この領域の体験や理解をより大きな全体の中でうまく利用していこうという意志が働きます。「客観性」の認識は、互いの本当の特徴や動機を伝え合うことにとても重要な要素です。それを利用することにより、より深いところから特徴を活かし合う協力関係を実現していくことができます。天秤座は、個人的、具体的なテーマを取り上げようとしますが、そんな個人主義な立場だけでなく集団全体の中でその特徴を活かしながら役割を担っていこうとする意識を持つとよいでしょう。

今回の新月図の木星は、このような「真の知恵を教える」というテーマを意識しながら社会的な可能性を探究しようとしています。太陽や火星などは、すでに、天秤座の第二、第三デーカンまで進んでいますが、社会的な木星はしばらくこのあたりの度数を運行しますので、いずれにしてもこれらのテーマはよく意識してものごとを進めるとよいのではないでしょうか。とくにアセンダントや太陽などが射手や魚に入っている人は頭の片隅に置いておくとよいかもしれません。

(星座とサビアン・その27より)
posted by ryu at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2004 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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