2007年03月23日

2004.11.12 新月

紅葉の色も濃くなり、あっというまにもうコンビニエンスストアには年賀はがきが売られるような季節になってきました。前回の日蝕では影響が半年にわたるようないつもの新月より大きなエネルギーがやってきました。その日蝕後初めての新月(日蝕を1とすると2にあたる)になる今回の新月は、日蝕によりもたらされた変化のエネルギーはどんなものなのかを確かめ実感していく働きがあります。

蠍座の新月

では、さっそく今回の新月図(2004.11.12.23:29JST)を見てみましょう。今回の新月は蠍座の21番目の度数で起こります。前の天秤座では、他人の立場に立ち、いろいろなやり方や考え方を公平に見比べることにより、みんなが互いに力を合わせ、協力しながら活動できる道を探すことがテーマでした。最近は木星をはじめ多くの天体が天秤座に入り、このテーマは盛り上がっています。しかし、風の星座である天秤座の協力は、どちらかというと表面的な動きを合わせたり、理念的なものに留まります。それが、水の星座である蠍座になると、感情の結びつきや実感の部分での関わりを深めていくことになりますので、さまざまな複雑な要因を意識せざるを得なくなります。12星座を3つの領域に分けたとき、2番目の領域の最後の星座にあたる蠍座は、獅子座から始まった対人や具体的な対象に対する工夫と働きかけに結論を出す(水)というテーマがあります。特定の相手との感情的な関係を深め、信頼関係を築き、共同して何らかの作業ができるような安定したつながりをつくろうとします。しかし、個人個人はそれぞれ自分の意志や感情を持っているので、そのような関係は簡単には成立しません。蟹座は個人的な背景や体験から身につけた習性(水)などを表しますが、蠍座の場合、お互いのそのような側面(水)をうまく共振させていくことがテーマなのです。蠍座には火星と冥王星の機能が深く関連するといわれています。火星は内面の動機を外部に主張したり行動に移したりします。同じ火星に関連する牡羊座では、まだ、「自分探し」ということがテーマなので、他人がどう動くかということをそれほど深く気にしません。しかし、蠍座では「人と関わりながら何かを追求する」というテーマを持っているので、同じ火星を動かすにしても他人の行動に合わせて動けるようになる必要があるのです。そして、そのような目的では冥王星の「すべてを部品に分解していき、新たな展望のもとに組み立てなおしていく」という機能が重要になるのでしょう。

今回の新月図では、このようなテーマを持った新月に対して、強いメジャーアスペクトはできていません。蠍座のテーマを追求する際に手ごたえが得られにくいので余計にがんばったり、いろいろな方法を試したりするかもしれませんね。このとき、オーブを広くとると海王星がスクエアに、そして、土星がトラインになります。また、マイナーアスペクトを考えると、今回の新月は金星と冥王星のセクスタイルの真ん中あたりにきます。とくに、対人関係を通して喜びや安心感、物質的な安定(金星)を深く追求する(冥王星)方向を意識したり、それを長期的に確立しようとする(土星)側面が強調されますが、理想や夢に振り回されたり、幻滅感が目標を見失わせないよう(海王星)に重要なことをしっかり見極める努力が必要になるかもしれません。

さて、新月に直接からんでいないアスペクトのテーマを見てみると、火星はとても微妙な位置にあります。火星は蠍座に入ったばかりの位置にありますが、過去に天秤座の終わりにあるときに土星とのスクエアを形成していました。そして、蠍座に入ったとたん、今度は天王星とトラインの影響を強く受けるようになります。これは、秩序やルール、既成概念(土星)との葛藤を脱し、新たに現在多くの人々が待ち望んでいるシステムを創りだそうとする未来の方向へ進みはじめるイメージがあります。また、ちょうどこの週には土星が逆行をはじめると共に、天王星が順行へ移り、ここでもやはり土星から天王星へと主導権が移るイメージが強調されています。

また、水星は木星や海王星と共に小三角を形成しています。社会の中で流通する情報や身近な会話の中には理想主義的なテーマが増えそうです。人と人の間が気持ちでつながっている(海王星)ことを感じながらお互いに励まし合う(木星)ようなイメージかもしれません。精神性(木星海王星)を知的に理解しよう(水星)という活動が盛り上がり、そのようなテーマの学習会やサービスが活発に行われるかもしれませんね。

そんな動きの可能性を意識しながら、蠍のテーマである「信頼関係の確立とそれに向けた内面の葛藤の解決」をじっくりと追求していくことができればよいですね。

実際のサビアンシンボル

では、今回も例によって上のようなテーマを持っている新月図の中から抽選でひとつ天体を選び、その度数のサビアンシンボルについて考えてみましょう。今回のテーマは水星です。水星は射手座の12番目の度数にあります。この度数のシンボルは、

SAGITTARIUS12:A flag that turns into an eagle that crows.(ときの声をあげる鷹に変化する旗)

何かの象徴でしかないはずの旗が攻撃力のある鷹に変化しました。印や象徴という抽象的な概念が実際的な影響力を持つようなイメージですね。

では、例によってサインの意味から考えていきましょう。射手座は、12サインを3つの領域に分けたときの3番目の領域の中の最初のサインです。3番目の領域は、その前の獅子座から蠍座で特定の相手や具体的な対象に対して働きかけましたが、そこで確かめた結果を社会全体の視点の中で一般化していくテーマがあります。集団全体の視点に立ちやすく、特定の実体験を多くの人々に通じるように抽象化、概念化し、全体の中でその価値を享受しようという方向性を持っています。その中の最初の火のサインである射手座は、そのような抽象化、一般化を「具体的なやり方はわからないが、ひらめきや直観に任せて(火)」追求していきます。つまり、「みんなでこういう世の中を作っていくと素晴らしいじゃないか」と、集団全体を活気づけようとする働きがあります。

今回のテーマの度数は、そんな射手座の中でも2番目のデーカンに属しています。2番目のデーカンは、そのサインのテーマを具体的な対象との関わりの中で体感することを通して学んでいきます。つまり、射手座の第二デーカンは、集団を感化したり、大きな視野を積極的に得ようとする射手座のテーマを特定の相手との関係や他人との具体的なやり取りの中で実感していくのです。とくに、この第二デーカンは獅子座のニュアンスから始まるので(サインの30度を360度の12サインにたとえた場合、第二デーカンは獅子座にあたる位置から始まります)、独特な新たな工夫を他人に対し投げかけることが最初の切り口になります。つまり、第一デーカンでサインの特徴自体を自覚した後、第二デーカンは、サインのテーマを創造的なかたちで具体的な場面で利用できるようになっていく過程と考えると理解しやすいでしょう。

では、第二デーカンの前半の一度一度を考えてみましょう。射手座の「大きなビジョンのもとに興奮する」特徴をどのように具体的な場面で活かそうというのでしょうか。前半では、まず、他人へ投げかけるやり方を洗練していきます。

SAGITTARIUS11:The lamp of physical enlightenment at the left temple.(寺院の左側にある物質的さとりをもたらすランプ)

一番目の度数では、その領域のテーマをまず体験してみます。お寺へ行くと、具体的なかたちでさとりの追求という「大きなビジョンのもとに興奮する」体験ができるわけです。

SAGITTARIUS12:A flag that turns into an eagle that crows.(ときの声をあげる鷹に変化する旗)

二番目の度数では、テーマがどんな反応を起こすかということに注目します。実際にさとりを追求すると聖書や経典に書かれていた理論が働いていることを実感するかもしれません。それを求めて行動するような特徴が出てくるかもしれませんね。

SAGITTARIUS13:A widow's past brought to light.(明るみに出る未亡人の過去)

三番目の度数では、1度と2度の視点をいろいろな条件下で体験しながら一般的な理解につなげていきます。このシンボルはイメージを限定しにくいですね。未亡人は女性であり、これまでにいろいろな保護し、養育していく体験をしてきたのでしょう。過去の体験の集合がその人を実際につき動かす哲学になっており、それが具体的に語られる様子が表現されているのではないでしょうか。

SAGITTARIUS14:The Pyramids and the Sphinx.(ピラミッドとスフィンクス)

四番目の度数では、その領域のテーマをいつでも安定して利用できるように技術化します。ピラミッドやスフィンクスは、文化的な知恵を象徴すると同時に、集団的なビジョンを追求することが大きな仕事を成し遂げた事実を示しているのでしょう。

SAGITTARIUS15:The ground hog looking for its shadow.(自分の影を探すグランドホッグ)

五番目の度数では、その領域のテーマを全体の中で活かそうとする意志を表します。野ネズミが自分の影を探している様子は、広い荒野の中で自分が何者なのかを理解しようとする姿勢をイメージさせます。全体の中では、意義を探究したり、自己/世界の認識を深めるための具体的な行動を続けていこうとする意志に関係するのでしょう。

このような流れの中で、今回のテーマである水星は12番目の度数にあります。旗が鷹に変わるイメージは、さとりの理想を実際に体験しようという行動に通じるかもしれません。水星がこの位置にある場合、情報交換や知性の探究がこのような方向に向かいやすいことになります。机上の理想論を現実化させるための工夫を積極的に行っていくのかもしれませんね。また、木星や海王星とセクスタイルのアスペクトになっているので、そのようなテーマを追求しやすい状況が生まれやすくなっていそうです。もちろん、気持ちは盛り上がっても机上の空論になりやすいことにも注意しなければなりません。

(星座とサビアン・その28より)
posted by ryu at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2004 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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