2007年03月24日

2005.11.02 新月

寒さはどんどん増しています。風邪をひきやすい季節ですね。最近は土星と海王星がアスペクトをとり、普段は「安定しているもの(土星)」として無意識に頼りきっているものが働きにくくなっています。からだの健康も同様です。みなさんもからだの調子を崩さないように健康にはよく気を使ってくださいね。

蠍座の新月

では、さっそく今回の新月図(2005.11.02.10:24JST)について考えてみましょう。新月は蠍座の10番目の度数で起きています。蠍座は、水のエレメントです。起承転結の4ステップでは「結」にあたる水のサインは、その前の風のサインで異なる視点から考慮しバリエーションや客観的な法則を認識した後、属するすべての要素のつながりを評価し、感情の交流をはかり、一体感を深めていくという方向性を持っています。地や風がものごとの物質的な側面を味わいそれらの間で働く法則を考察する方向に向いているのに対し、火や水は心理や感情、精神的な側面に感応する特徴をもっています。蠍座は、「自互公」では互の領域、つまり、対人関係のテーマや具体的な対象を定めて働きかけたり追求するという方向性をもっています。また、蠍座は「動き方」の種類では不動のモードなので、テーマを定めてじっくりと根本的な部分を洗練していくような動きの特徴をもっています。総合すると、具体的な相手との感情的な交流をじっくりと深めていくというニュアンスが出てきます。他人と共有物の扱い方をめぐり信頼関係を作っていこうとするという視点でも考慮することができるので、共有資産やお金、ものの貸し借りにまつわる物語も起きやすいでしょう。意志や財産を引き継いだり、任せたり、頼ったり、依存したりなどということもテーマになるかもしれませんね。太陽と月の示すリーダーシップ(太陽)や大衆感情(月)の関心はこのような蠍座の示すテーマを意識したり、そのような動きの特徴をもちやすい時期になりそうです。

新月へのアスペクト

そのような動き方で「何を」追求していくのでしょうか。アスペクトは、ある天体の機能や作用が働く際に「同時に働く」機能や作用を示してくれます。今回の新月と一緒に働くのは、土星と海王星のオポジションに火星が加わりTスクエアになっています。新月を加えて不動サインでのグランドクロスの状態になります。このように多くの原理が同時に働くときには遠い天体からイメージを組み立てていくと理解しやすいかもしれません。土星は多くの人々が共有している実際的に社会を動かしているシステムに関連します。また、海王星は集団心理的な理想や不安を表します。このため土星と海王星のアスペクトは理想や不安を意識することにより社会構造が変化していくことに関連します。先月もお話したとおりこのアスペクトは正確には来年の9月ごろに最初に形成されます。現在は、それに向かって長期的なテーマがいろいろな分野で進行しているのです。そして、より周期の早い天体がこのアスペクトに加わることでそれらのテーマの進行がより身近な感じやすい側面で意識されるのです。前回は、新月がトラインやセクスタイルでかかわっていましたが、今回はスクエアになっています。また、今回は火星も加わってきていますので、矛盾の部分がよりはっきりと意識されるようなできごとが起こるかもしれません。火星の「行動する、実行に移す」など、考えている場面ではなく行為の現場で矛盾や葛藤が意識されるのです。とくに火星が海王星から土星へと順にスクエアを形成する11月7〜18日ごろは矛盾がさまざまな活動の中に表現されやすい時期になるので注意が必要です。また、12月にはこの部分に木星も加わってきますので、いろいろなテーマが社会問題として認識されていくかもしれません。いずれにしても、ここしばらくの間不動サインのグランドクロスの影響が強くなっていきますので、さまざまな問題を根本的に解決していく姿勢やそれに真剣に取り組む強さが重要な時期になるでしょう。

さて、占星術は日々進歩しています。占星術家の中にはマイナーアスペクトにも注目する人がいますが、今回の新月図には火星と木星、水星の間に165度(ノエルティル氏などはクインデチレと呼び注目している24ハーモニックのアスペクト)が形成されています。これは、特殊なこだわりや強迫観念に関連すると考えられています。それらがヨッドのようなかたちで形成されているので、水星、木星、火星の組み合わせでは活発な議論が行われるかもしれませんね。

その他のアスペクト

新月以外のアスペクトを検討してみると、水星と天王星の間にスクエアが形成されています。これは、情報や技術、頭脳を使うテーマで予想しないような新たな展開や技術革新が起こるイメージです。しかし、スクエアはその展開を望まない人々も多く居り、緊張や葛藤につながる可能性もあります。そして、金星と冥王星がコンジャンクションになっています。金星は、ものごとを楽しんだり感じたり味わったりする機能や作用に関連します。それに冥王星が関わると特定のテーマにとても敏感に強迫的に反応したり、多くの人々に理解されていない複雑で難しいテーマに関心が向くかもしれませんね。

このようなそれぞれの動きが起こる中で、主要な注目の方向である新月は、ものごとの背後で働く原理や他人の動機に敏感になりながら(蠍座)、不安や理想により社会構造を変化させるプロセス(土星と海王星)を意識していくイメージがあります。

実際のサビアンシンボル

それでは、そんな新月のチャートの中から抽選で一つ天体を選び、そのサビアンシンボルを考えてみましょう。今回のテーマは、蠍座の10番目の度数にある新月です。新月の度数のサビアンシンボルは、

SCORPIO10:A fellowship supper.(親睦夕食会)

です。たくさんの人々が集まって気持ちを交流させているイメージですね。では、例によってサインの意味から考えていきましょう。

新月の説明でも出てきましたが、蠍座は、自分とは背景の異なる他人や外部の環境と気持ちの交流を深めて一体化するテーマをもっています。今回のとりあげている新月の度数はそんな蠍座の中でも最初の部分、第1デーカンにあります。第1デーカンは、蠍座の「背景の異なる他人と気持ちの交流をし一体化する」というテーマの重要性を自分で動き体感することにより確かめていく段階です。そして、今回の度数が含まれているのはそのデーカンの中でも後半です。後半は、前半で自ら動き働きかけたものに対する反応を体験し味わい評価していく過程です。つまり、まとめると「背景の異なる他人と気持ちの交流をし一体化」しようと働きかけた行動によりどんなことが起こってくるのかを目の当たりにし、味わい、その意義を自分の価値観の中に吸収していく過程ということになります。

SCORPIO6:A gold rush.(ゴールドラッシュ)

領域の最初の度数は、その領域のテーマを単純に表現します。気持ちを交流させ一体化しようという働きかけは「ゴールドラッシュ」を引き起こしました。ゴールドラッシュは、同じ気持ちを味わいたい人々がたくさん集まってきたという現象です。

SCORPIO7:Deep-sea divers.(深海潜水夫)

2番目の度数は、1番目の動きの効果やそれにより引き起こされることがらのほうに注意が向きます。同じ体験ができると集まってきた人々はいろいろな顛末で深い感情の動きを体験します。感情を海に例えれば「深海潜水夫」のようなものでしょう。

SCORPIO8:The moon shining across a lake.(湖面を横ぎって輝く月)

3番目の度数は、1番目と2番目の相互作用を客観的に理解し応用力をつけていく過程です。体験の誘い(ゴールドラッシュ)と実際の深い体験(潜水夫)を繰り返していくうちにどんな誘いがどんな体験につながっていくか予測ができるようになっていきます。いろいろな場面の背後に深い感情体験があることを理解していきます。

SCORPIO9:Dental work.(歯科の仕事)

4番目の度数は、3番目で理解したものをいつでもしっかり利用できるよう技術化する過程です。いろいろな背後の事情をしっかり理解した上でなければ、「歯の治療」を受ける患者は痛がるかもしれません。「歯科の仕事」は事情を理解する力をしっかり確実なものにしておく必要があります。

SCORPIO10:A fellowship supper.(親睦夕食会)

5番目の度数は、その領域のテーマをより大きな全体のために活かしていこうとする意志を表します。「親睦夕食会」には、お互いの個性や事情を相互に理解し、お互いの未来のために役立てていこうという意志をもった人々が集まります。

このような流れの中で、今回の新月は「夕食親睦会」の度数にあります。お互いに背後の事情を理解しようという意志を持ちながら集まりますが、そこで取り上げるテーマが来年の後半にやってくる土星と海王星のオポジションなのです。長期的な視野で解決すべき重要なテーマをじっくり集まり検討していこうとする姿勢が感じられます。

(星座とサビアン・その40より)
posted by ryu at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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