2007年03月24日

2005.12.02 新月

あっという間に一年が過ぎそろそろ正月の準備を始める時期になりました。あちこちですでにクリスマスツリーが飾られ、夜にはきれいなイルミネーションがともって年の瀬の雰囲気を醸し出しています。

射手座の新月

では、さっそく今回の新月図(2005.12.02.0:00JST)について考えてみましょう。新月は射手座の10番目の度数で起きています。射手座は、火のエレメントです。火は水と同様心理・精神的な側面に注目しますが、新たな動きを作り出そうという動機が強く、興奮、活気、元気さを重要視します。水のサインが起承転結の最後をまとめた後、火はそれを踏まえて(無意識に)新たなテーマへ移るのです。12サインの過程では、自互公の次の領域へと進むことになります。蠍座から射手座への動きは、「互」の領域から「公」の領域への動きです。これは、具体的な対象を意識している次元から抽象的で一般化された次元への動きで、例えば、学校の先生が一人一人の生徒の顔を見ながら個別指導しているときと教室の全員に対して話しかけているときのような意識の違いがあります。蠍座は具体的な対象との感情的なつながりを深めようとしますが、射手座に移るとそこでの体験を元に一般的で抽象的な価値観を作り出し世の中全体へと投影しようとします。研究から理論化へ、神秘体験から宗教へというイメージの移行でしょう。これは、ちょうど一人一人の体験の実感から、それらをみんなで話し合いよりよい社会のイメージを作ろうとする動きにつながるかもしれませんね。リーダーシップの方向づけ(太陽)や大衆の関心ごと(月)をつきつめるとそんなテーマが見えてくるかもしれません。また、このテーマはトランジットの木星の動きの影響にも共通しています。

新月のアスペクト

今回の新月は天王星とのスクエアを終え、土星と海王星のオポジションの調停へと向かっています。また、マイナーアスペクトでは木星や火星と関係を持っています。過ぎたアスペクトは「すでに実感した変化の必要性をどう反映していこうか」というニュアンスが加わります。天王星なので奇抜なアイデアを思いついたり、今までよく見えていなかった真実を知ってしまったなどのニュアンスが出るかもしれません。新たに獲得した知識を利用して、土星と海王星の「理想と現実のギャップ」を埋める努力をするかたちで利用できれば理想的かもしれませんね。また、木星と火星はさまざまな可能性を追求する具体化の努力のイメージですが、これにセミセクスタイルやクインカンクスで関わっているので、リーダーはかなり具体化の努力を意識しながら取り組んでいるようすが想像できます。「リーダー」といっても、国の指導者から会社で第一線で活躍する人々、友だち同士の活動のいいだしっぺなど、いろいろな次元で想像できますが、占星術は「金太郎飴」のようにどの次元の断面も似たような構造で動きますので身近な現象の中で当てはまりそうなことがらを観察してみてください。

不動サインのグランドクロス

土星海王星木星火星のグランドクロスは不動のサインで形成されています。エレメントの動機を次々と素直に行動へ移していく活動のサインに比べ、不動のサインはエレメントの働きの効果を確認し、評価し、じっくりと味わい、価値観を洗練するので、表面的にはものごとがあまり動いていないように感じるかもしれません。しかし、実は個人個人の内面の、あるいは、組織や集団を結びつけている重要な価値観に関しての変化が進行しているので、その深い変化の部分にしっかり注意する必要があるでしょう。たとえ実行する時期はずれても、この時期に決まった価値観は今後いろいろな方面に反映される重要なものになる可能性があるからです。私は、この4つの天体の意味を考えるとき、土星と海王星の「夢と現実のギャップ(あるいは実質的な動きを作れない無力感)」を個人個人が行動の中で体験し、実感したもの(火星)をみんなで共有し、将来をつくろうとするビジョン(木星)に反映させていくという流れで整理して考えています。ここでの重要なポイントは土星と海王星のオポジションが根底にあるということです(このオポジション自体は来年から再来年にかけて正確に形成されます)。土星と海王星のテーマを実感することに関して、最近放送中のドラマ「1リットルの涙」はいろいろな刺激を与えてくれます。このドラマは木藤亜也さん(1962.07.19生)というからだの自由が奪われる病気にかかった女性の実話をもとにつくられているのですが、社会の人々に迷惑をかけてしまうつらさ、情けなさやそれでも少しでも他人のためになりたいという前向きな気持ちを失わないことなど、土星と海王星の組み合わせについてしっかり向き合っていく際の励みになる内容です。

その他の天体のアスペクトや動きの特徴

今回の新月図の他の部分に目をやると、水星と金星がセクスタイルになろうとしているのが目にとまります。会話や情報交換を楽しんだり、価値観について話し合ったりというイメージが出てきます。これは、楽しむための技術を習得したり、対人関係の場面で会話が促進されたりするかもしれません。これにはセミセクスタイルで冥王星も関わっているので、深い洞察や言葉に表されない動機を意識することなどもテーマに上がってくるかもしれません。また、水星は先月14日よりより逆行していましたが、4日に順行に戻ります。水星が逆行すると、考える力や伝達能力(水星)の使い方に関して、公の必要性(太陽)より個人的な必要性(地球)のほうが先に目に入り、結果的に人々の間のコミュニケーションがうまく進みにくくなります。しかし、個人的な事柄を考えたり、過去を振り返ったりすることに興味が向きやすくなるので、私的なテーマを考え、整理しやすい時期でした。その後、順行に戻ってからも逆行を始めた位置まで戻る12月22日ごろまでは「個人的に考え直したことを反映していく」過程が続きます。また、この時期には、逆行時に起こった伝達や計画の誤りなどが発覚しやすいので注意をしましょう。

これらのさまざまなテーマを抱えながら、今回の新月は「未知の領域へと冒険」したり「新たな創造性、活力、元気で集団や社会全体を盛り上げよう」(射手)という方向へ進めようとしているのです。

実際のサビアンシンボル

それでは、そんな新月のチャートの中から抽選で一つ天体を選び、そのサビアンシンボルを考えてみましょう。今回のテーマは、牡牛座の9番目の度数にある火星です。火星の度数のサビアンシンボルは、

TAURUS9:A Christmas tree decorated.(飾られたクリスマスツリー)

です。華やかですが神聖な感じのするイメージです。平凡なもみの樹も飾り付けるととっても特別なものに大変身します。今の季節にぴったりですね。では、例によってサインの意味から考えていきましょう。

牡牛座は、地のサインです。地のエレメントは、働きかけたものをしっかり目に見える、触ることのできる、五感で確かめられるかたちで確認したい動機が強く働きます。物質的な豊かさを味わったり(牡牛)、他人に役立っていることを感じたり(乙女)、社会的な責任を果たしていることを感じたり(山羊)と自互公の方向性によりニュアンスは変化しますが、すべて「確実なかたちで結果を出したい」という動機は共通です。それが金銭や所有、技術、安定した地位や権力などに興味が向きやすい傾向を作ります。牡牛座はそんな地のサインの中でも、自分の個性をしっかり把握し、確立していく自互公の「自」の方向性を持っています。このため五感で確認する動機は、まず、個人がそれぞれ自分自身の豊かさを追求するという方向に働きます。また、働きかけた結果感じられたことを振り返りながら、だんだんと自分はどんな特徴を持っているか、何が好きで何が嫌いか、どんな環境なら心地好く過ごせるかなどのテーマをじっくり追求していきます。

今回の火星の度数はそんな牡牛座の第一デーカンの後半にあります。第一デーカンは牡牛座の「個人的な物質環境の豊かさを味わい心地好いあり方を確立する」というテーマの重要さを自分自身の中で確かめていきます。前半では、積極的に自分の資質や周囲の環境の豊かさを味わおうとしますが、後半ではそんな働きかけに対する効果や周囲の反応を評価していきます。そして、この評価がそのサインらしい感受性や価値観を身につけることにつながっていきます。では、一度一度の流れを見てみましょう。

TAURUS6:A bridge being built across a gorge.(渓谷にかけられる建設中の橋)

領域の最初の度数は、その領域のテーマを単純に表現します。自分の価値観や物質的豊かさを追求すると周囲の環境や他人の豊かさが目に入ってきます。橋を建設し「他人の山」のもたらす豊かさを享受しようという試みが始まります。この試みは自分の価値観と他人の価値観を対比させることにつながります。

TAURUS7:The woman of Samaria.(サマリアの女)

2番目の度数は、1番目の動きの効果やそれにより引き起こされることがらのほうに注意が向きます。価値観の対比は、それぞれのアイデンティティの意識につながります。自分は「日本人だから」、「アメリカ人だから」、「サマリア人だから」という側面を強く意識することがテーマになるでしょう。

TAURUS8:A sleigh without snow.(雪といっしょにないソリ)

3番目の度数は、1番目と2番目の相互作用を客観的に理解し応用力をつけていく過程です。つまりここでは他人との感覚や価値観の違いや、環境の変化に応じて体感が変わることを客観的に理解し、それに備えることを学ぶ段階です。夏にはソリ遊びはできません。

TAURUS9:A Christmas tree decorated.(飾られたクリスマスツリー)

4番目の度数は、3番目で理解したものをいつでもしっかり利用できるよう技術化する過程です。つまり、環境や季節に合わせて楽しめるものをしっかり楽しむ力をつけているのでしょう。3番目ではいろいろ試しながら季節外れとそうでないものを理解していく過程でしたが、4番目ではきちんと季節や価値観にあったものを楽しむ感性を育てます。

TAURUS10:A Red Cross nurse.(赤十字の看護婦)

5番目の度数は、その領域のテーマをより大きな全体のために活かしていこうとする意志を表します。赤十字の看護婦は、自分の才能や価値観、資質をよくわきまえ、それを自分の意志で社会のために活かす努力をしています。もちろん、赤十字の看護婦でなくても、自分の才能や価値観、資質をわきまえた上でより大きな世の中のために具体的な役割を果たそうとしているときは誰でもこの度数の働きが活性化しているのでしょう。

このような流れの中、今回の新月図の火星は「クリスマスツリー」の度数にあります。つまり自分の価値観に見合った楽しみ方、存在の仕方を「行動化(火星)」を通して追求していくのでしょう。火星は12/10まで逆行し、その後順行しますが、12/21までこの度数にとどまります。とても長い期間この度数が強調されているのですが、不動のサインであり、前半で取り上げたように土星海王星木星とともにグランドクロスを形成していることもあり、忙しく動きまわるよりは内面でじっくり「自分に見合った活動の仕方を探し出す」とよい期間になりそうですね。

(星座とサビアン・その41より)
posted by ryu at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック