2007年03月24日

2007.03.19 新月

占星術の「星座」はものさしのひとつです。ものさしはなるべくいろいろなものの状態を測り、比べることができる必要があります。多様化する世の中のいろいろなものごとを測るには、とても単純で根本的な基準までつきつめていくとようやく見えてくるものがあるのかもしれません。例えば私はエレメント(4元素)について、火や水は心の側面、風や地は物質的な側面に注目しやすいと考えています。また、火や風は新しい展開を求め、地や水はそれまでの状況の維持や安定を望みます。組み合わせると「火=心の活性化」、「水=心の安定化」、「風=物質側面の活性化」、「地=物質側面の安定化」などのように単純化できます。基本的で単純な原理までつきつめると、今まで分類されたことのないようなものを考えるときにも適用できやすくなるのです。

魚座の新月

では、さっそく今回の新月図(2007.03.19.11:42JST)について考えてみましょう。今回の新月は単なる新月ではなく日蝕です。しかし、ノードとのオーブが離れているので小規模のものと考えてよいかもしれません。日蝕は小規模のものでも半年程度効力が続く可能性があります。この新月は魚座の29番目の度数で起きています。魚座は水のエレメントに属しています。水は形を変えいろいろなところにしみ込みます。また、何でも溶かし込み一体化させます。このような特徴は過去の体験の流れを振り返ったり、感情を交流させ一体感を感じたり安心感を強める働きにつながります。これは人間の意識に関係する次元では「感情」を扱う側面に対応します。

自互公の分類では公の領域にある魚座は、「過去の体験を振り返り、感情を交流させ、一体感を味わう」という水のエレメントのテーマを集団全体(公)を強く意識しながら機能させていきます。また、公の次元では一つ一つの独自さにはあまり注意を払わず抽象的・概念的な捉え方をしやすいことも特徴の一つです。集団全体に浸透する(公)感情や雰囲気に浸り共通に理想を求めたり(水)、人々の社会的な背景(公)に関して同情を深めること(水)が重要なテーマになっています。これらのポイントを総合し、魚座のテーマを「集団や世の中全体、あるいは心のあり方の理想を追い求め、それに染まろう」、あるいは、「小さな枠組みや隔たりを越えて心の一体感を感じ理想や夢を全般に浸透させよう」などとまとめましょう。

新月は太陽(リーダー)と月(属する大衆)がいっしょに今後の活動の「見通し」をつくる機会だとイメージするとよいでしょう。このようなイメージを、国や会社という大きな集団だけでなく、家族やパートナー同士など小さな集団、あるいは、「自分」といういろいろな動機の集まりなど、様々な次元に当てはめながら考えてみてください。つまり、今月は(いろいろな次元の)みんなで魚座の「集団や世の中全体、あるいは心のあり方の理想を追い求め、それに染まること」、あるいは、「小さな枠組みや隔たりを越えて心の一体感を感じ理想や夢を全般に浸透させること」を重要なテーマとして認識し、追求していくことが好ましいのでしょう。また、数ヶ月前から新月がサインの終わりのほうで起こるパターンになっています。サインの終わりのほうで起こるときは、新月の起きた魚のテーマは1ヶ月の重要なテーマではあるものの、すぐに次の牡羊座の「個人個人が思いついたことを実行に移していこう」とする動機も意識されやすくなることを表しています。

新月へのアスペクト

今回の新月は、冥王星とスクエアになっており、すぐに春分点を通過します。また、その冥王星には少し前に金星がトライン、水星がセクスタイルになっていました。冥王星は奥の深い複雑なたくさんのエネルギーを要するテーマを表しますが、太陽とのアスペクトはみんなでそれを自覚し解決の工夫や努力をしようとするイメージです。しかし、スクエアはそれを行っていく際に集団全体の方向性に関する葛藤を解決しなければなりません。リーダーシップは属する人々の本音をまとめるために努力をする必要があり、力で押しきれば後にわだかまりの種を残すことになるかもしれません。新月の2週間ほど前には月蝕がありました。この月蝕は木星天王星のスクエアと強く関係しているので急な事業のスタートや方向転換などが起きやすい時期になっています。土星と海王星のオポジションの悲観ムードとあわさって株価は急激に下落しましたが、問題解決(土星海王星)に向けての思いきった動き(木星天王星)も起こりやすくなっています。こうした背景の中で、リーダーシップは根底改革の必要性を痛感し、それに向けて努力しようという意志が芽生えるのかもしれません。どんな部分をどんな方法で根底改革したらよいかという点については水星(考え)や金星(感覚)がすでに捉えて話題にしているかもしれません。水星や金星は2〜3度手前でアスペクトしているので、2〜3週間や2〜3ヶ月、あるいは長期的なものでは2〜3年前に対象としてとりあげられ考慮されたものを扱っていく可能性もあるでしょう。

その他のアスペクト

昨年スクエアを繰り返していた土星と木星は今、トラインを形成しています。これは実体のある会社や家族などの組織が進む方向や内部の秩序を決めるための合意形成が比較的スムーズに行われやすくなっているイメージです。土星は海王星とオポジションになっていることから、集団の内部で結託して曖昧なものや不安要素を排除しようという動きが強まっているのかもしれません。それに対して木星は不安や状況への理解を深め、必要な部分の改善を進めるための合意形成を助けるイメージです。また、火星はそれらの動機を具体的な行動に反映させたり、プロジェクトとして活動に移す働きがあります。火星はこれからこれらの土星木星海王星と順にアスペクトしていきますので、理想と現実の隔たりを調整しようとする動機が活発に行動化されるかもしれませんね。

今回の新月(日蝕)図の期間は、このような動きを意識しながら、「集団や世の中全体、あるいは心のあり方の理想を追い求め、それに染まろう」、あるいは、「小さな枠組みや隔たりを越えて心の一体感を感じ理想や夢を全般に浸透させよう」という魚座のテーマの追求を心がけていくとよいかもしれません。さらに、次の牡羊座の表わす「個人個人が思いついたことを実行に移していく」というテーマも心がけるとよいかもしれませんね。今回は日蝕でもあるので、期間は1ヶ月だけでなく半年程度の流れにも反映されていくでしょう。これらのテーマが身近なところから経済/政治の動きなど社会的な次元までいろいろな側面でどんなふうに反映されるか注目していきましょう。

実際のサビアンシンボル

それでは、そんな新月のチャートの中から抽選で一つ天体を選び、そのサビアンシンボルを考えてみましょう。今回のテーマは、水瓶座の21番目の度数にある海王星です。この度数のサビアンシンボルは、

AQUARIUS21:A woman disappointed and disillusioned.(絶望し幻滅した女)

です。がっかりした女性ということですが、何に落胆したのでしょうか。幻滅ということは、理想や夢から覚めたのかもしれませんね。現実主義とその感情に対する影響がテーマになっているのかもしれませんね。

ではサインのテーマを簡単にテーマをまとめ、さらに内部のイメージを作ってみましょう。

今回のテーマである海王星は水瓶座の第3デーカンにあります。風のサインで公の領域にある水瓶座は「集団全体を一般的・全体的に把握しながら(公)よりよいあり方を考え出す(風)」というテーマがあります。別の視点から考えれば「人々の社会的な背景(公)に関して情報を交換し理解を深める(風)」というイメージもできるでしょう。獅子座の対向サインであることから自分らしさのダイナミックな表現(獅子)を補完するような多くの人々の反応や意見を認識する(水瓶)テーマとして考えてもよいかもしれません。そして、第3デーカンはサインの内部での自互公でも公にあたるので、そんな水瓶座のテーマを「集団の中での価値や抽象的な概念として理解していく」という構図の中で体験しようとする動機があるでしょう。デーカンの前半は、自ら働きかけることに意識が向き、後半は働きかけに対する反応を評価し、価値観/情感として吸収していく過程です。今回の度数は前半にあるので、「集団全体のよりよいあり方を考える(水瓶)ことの意義を、多くの人々と共に体感したり抽象的な理解を深めながら身につける(第3デーカン)」という水瓶座第3デーカンのテーマについて、まずは自分から働きかけながら体験的理解を深めていく過程です。

この第3デーカン前半は、サインを12分割したときの9〜10番目にあたります。これらには、サインのテーマを社会のいろいろな場面で応用するための可能性を探求したり(9)、集団全体の中できちんと機能するように実際的なしくみをつくる(10)という働きがあります。これらは水瓶座を頭にして数えると天秤座(9)や蠍座(10)にあたります(このようにサインの内部を12分割する方法を「ドワッド」あるいは「ドデカテモリー」と呼びます)。つまり、サインのテーマを社会のいろいろな場面で応用するための可能性を探求(9)するためには天秤座の「相手の動きに合わせて反応し協力する」視点を必要とし、集団全体の中できちんと機能するように実際的なしくみをつくる(10)ためには蠍座の「相手の気持ちに合わせていっしょに動く」という働きを必要とします。これらを意識しながら、1度1度見ていってみましょう。

AQUARIUS21:A woman disappointed and disillusioned.(絶望し幻滅した女)

領域の最初の度数は、その領域のテーマを単純に表現します。この領域のテーマをそのまま当てはめると、多くの人々の意見や要望に応えられる個性を社会のいろいろな場面で表現していく人物像が浮かびます。「アイドル歌手」あるいは最近放送していたテレビドラマ「ハケンの品格」の主人公(いかなる仕事を行う資格も持っている)のようなイメージかもしれません。「絶望し幻滅した」というのはそんな人物の心の内面を表しているのかもしれませんね。また、「女性」は相手を理解し評価する象徴です(天秤座の支配星が金星であることがそのことをよく表しています)。「(一つの対象に集中せず)たくさんの個性を評価できる力」を表しているのかもしれません。

AQUARIUS22:A rug placed on the floor for children to play.(子供たちが遊ぶために床にひかれた布)

2番目の度数は、1番目の動きの効果やそれにより引き起こされることがらのほうに注意が向きます。1番目の「たくさんの個性を評価できる力」は子供がすくすくと育っていく環境を支える布の役割をしているのでしょう。ここでは効果としていろいろな個性を育て長期的な動きを作り出す力を発揮することがテーマになっているのでしょう。

AQUARIUS23:A big bear sitting down and waving all its paws.(座ってすべての手足を振っている大きな熊)

3番目の度数は、1番目と2番目の相互作用を客観的に理解し応用力をつけていく過程です。手や足を一つずつみんな動かしてみながらそれらが自分の意志に反応していることを観察しています。たくさんのいろいろな個性が力を合わせて一つの全体が機能するしくみを認識しようとしているのかもしれませんね。また、組織的な動きの全体を見ながら、個々の協力のしかたが、必要な全体的活動にきちんとつながっているかを判断する力をつけているのでしょう。

AQUARIUS24:A man turning his back on his passions and teaching from his experience.(情熱に背を向け自分の経験により教えている男)

4番目の度数は、3番目で理解したものをいつでもしっかり利用できるよう技術化する過程です。経験を客観的に理解し、他人の異なる環境や目的のために応用しようとしているのでしょう。情熱に背を向けることは、個人的な動機の影響を排除しようとしているのかもしれませんね。

AQUARIUS25:A butterfly with the right wing more perfectly formed.(右の羽がより完全に形成されている蝶)

5番目の度数は、その領域のテーマをより大きな全体のために活かしていこうとする意志を表します。右側が完全ということは、左右のバランスは悪いのでしょう。からだの右側は左脳につながっています。左脳的な論理思考などが発達したイメージかもしれませんね。バランスが悪いものは、反対の要素を引きつける力もあります。得意な論理思考を全体のために活かす機会が訪れやすいのかもしれませんね。

このような流れの中、今回のテーマである海王星は「幻滅した女性」の度数にあります。海王星は多くの人々が夢や理想として描く対象を示す働きがあります。現在のトランジットでは、この海王星は土星とオポジションになっています。自分の感情を抑えて社会のためにいろいろな個性を理解し引き出す(幻滅した女性)という「理想像(海王星)」は、自分自身が活躍し評価されなければものごとを実質的に動かすことはできないという獅子座の土星との対比/葛藤により挑戦を受けているイメージがあります。しかし、葛藤のポイントがしっかり理解できれば解決の糸口もつかめるかもしれません。無理してすべての状況に合わせられるシステムを作ろうとすると個人的な情熱を失ってしまいます。しかし、自分の情熱だけでは多くの人々は反応してくれません。すると、情熱を伝えられる範囲で窓口を広くするというのはひとつの解決方法かもしれませんね。あるいは、他人の個性をしっかり認識し育てていく姿勢を持てば(周囲が鏡のように働き・海王星)自ずと自分の個性を発揮しやすい環境ができるかもしれません。

(星座とサビアン・その57より)
posted by ryu at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 月相2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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