2014年08月01日

巨人と変容について

最近の勉強会で8ハウスのテーマになり、改めて「変容」ということについて考えてみました。諸行無常という言葉がありますが、世の中に存在するものはみんな何かしら変化をしていく必要があります。


私が変容と言って最初に思い浮かべるのは、脱皮しながら成長していく様子です。これは、土星とトランスサタニアンの相互作用をとてもよく物語る過程なので、成長や変容を考えるときによくこの脱皮の過程を思い浮かべます。


命が成長していくとき、一つの方法論として、壊れやすい中身を守るための硬い殻(土星)を利用することがあります。この殻に守られていれば安全ですが、ときどき中身の成長に合わせて殻を脱いで大きくしていかなければ、「成長」が止まってしまいます。この脱皮の過程をガイドしているのがトランスサタニアンなので、それらの究極的な目的は「成長を促すこと」なのでしょう。つまり、成長するためのスペースを確保すると言ってもよいかもしれません。


動物や昆虫などの成長を考えれば脱皮を繰り返して大きくなっていく様子をイメージしやすいですが、例えば、人間の心などもそんな風に成長していく側面もあるのではないでしょうか。養老博士は「バカの壁」と呼びましたが、それにより守られながら心が成長するという側面もあるでしょう。それがないと成長中の心はアイデンティティを保ちにくくなるのでしょう。


また、命というのは、ある視点から見れば、小さな命がたくさん集まって大きな命を構成しているという側面があります。「心」にも小さな部分が集まって一つの心全体を構成していると考えることもできるでしょう。バカの壁は部分部分を一つの方向へ向けるのに役立っているのかもしれません。


さて、人間がたくさん集まってできる集団も次第にこのような命の側面、心の働きが形成されてくると私は感じています。おそらく、さまざまな宗教はその集団的な心について神と呼んで意識しようとしたのでしょう。もっとも、「神」と呼ぶような気持ちの向け方をする際は、会社とか国とか小さな集団ではなく、生態系全体のようなものを対象にするのかもしれませんが。


私はこのようなかたちでできてくる集団の心を「巨人」と呼んで注目してきました。「巨人」も変容しながら成長しているのです。


最近、この変容の過程をうまく進める方法を理解する重要なヒントがエレンランガー博士の「マインドフルネス」という概念の中にあると気がつきました。人間は日常の行動は深く意識せずパターンで行っている「マインドレス」の状態であることが多い、しかし、クリエイティブな活動、変化を創り出す活動をするためには、いろいろなことを新鮮に意識化した「マインドフルネス」という状態が必要になる、というのです。


これは、占星術の概念では、人間は通常、月の光のエネルギーで物事を動かしている(過去にうまく行ったことを無意識的に繰り返す)が、重要な変容の過程では太陽のエネルギー(物事に新鮮な光を当てる)が必要になる、ということでしょう。


巨人の動向については、またいろいろなかたちで考えていきたいと思っています。

posted by ryu at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 象徴の探求 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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