毎月の新月の記事が書けていない分、トランジットの大きな動きを追っておこうと思います。今回は射手の土星と乙女木星のスクエアについて少し考えてみたいと思います。私は、ひとつのアプローチとして、土星の働きを考えるとき「社会構造に足りないもの」を想定します。冥王星の場合は、文化に足りないものですが。土星は9/18、水星が逆行を始める日に射手に入ります。射手の土星は何が足りないというのでしょうか?象徴なのでいろいろなテーマが考えられます。軍事でしょうか、明るい未来のビジョンでしょうか、スポーツでしょうか、道徳でしょうか。それぞれの立場や状況により、意識する焦点は変わってくるかもしれません。
一方、木星は8/11に獅子から乙女に入りました。木星については、気軽に広がっていくテーマをイメージします。乙女の場合、例えばお稽古ごとや手順の説明、詳細の指摘、他人へのサービスなども考えられます。
さて、では、このような木星と土星はどのような反応をするでしょうか。安易に詳細の探求が広がり、全体像の意識や哲学に欠けるという状況が生まれやすいかもしれません。つまり、一般的に努力のポイントになりやすいのは、「木を見て森を見ず」という状況に備えることかもしれません。
射手のテーマをもう少し考えましょう。私は射手ではビジョンや意見の共有というポイントが重要だと考えています。つまり、土星の「訓練のテーマ」はビジョンを共有する力を発達させていくのだと思うのです。そうなるという話ではなく、そこを努力すべきということです。
乙女の木星は詳細に注目を向けやすい空気をつくるかもしれません。しかし、詳細の判断力は大きな原理の理解(射手)があってこそうまく進みます。特に、人々が文化や理念を超えて理解を進め共存しようというとき、意識的に射手のテーマである大きな視点の共有の努力を進めることが大きな助けになるはずです。
前回土星が射手に入った昨年の衆議院選挙の後の時期には、安倍首相が中東歴訪しISの事件が起こったり選挙の際にはあまり語られていなかった安保法案がいきなり浮上してきたりしました。今度の9/18の再イングレスに合わせて、政府は安保法案の参議院可決を目指して動いています。そうなれば、射手の土星は戦争の訓練になっていきかねません。
私は全体のビジョン(射手)がしっかり共有されていないと感じています。例えば、国際社会の中で日本が果たすべき役割として、歴史的に見ても民族性から考えても、未来に向けて成長していくには、強国にくっついていくより、精神的に独立しいろいろな立場の国々の間を仲介して相互理解を深める役割を果たしていくとよいと私は考えています。別な人は、守ってもらっているのだからその分の責任を果たさなければならないと考えている人もいるでしょう。このような話は、歴史の流れの中で国々や人々が何をどう体験してきてどこへ向かって進んでいるのかという意識を共有していく中でそれぞれの意見が形成されるわけです。
そのようなビジョンや大きな視点の流れの感覚について、異なる立場や視点の人の間で交流することを土星が射手に入る2年強の期間に進めていくとよいと私は考えています。