去る5/9の日に水星の日面通過がありました。これは、文字通り太陽の上を小さな点の水星が横切る天文学的にはとてもダイナミックな現象でした。しかし、占星術的にも太陽と水星のコンジャンクションが水星のプラネタリーノード上で起こるので比較的長期的に基準となる重要な現象です。前回の水星の日面通過は2006年11月、約10年前です。つまり、前回の日面通過はこの10年の水星の表現され方の基準になっていたのかもしれません。
次回の水星の日面通過は2019年ですので、今回の日面通過は約3年間の水星の働きの基準になると考えられます。さて、このタイミングのホロスコープを作ってみると、ここしばらくのコミュニケーションに関する基準となるテーマが見えてくるかもしれません。チャートには、水星太陽と木星、冥王星のグランドトラインと土星海王星木星のTスクエアが木星を介してつながっています。グランドトラインは、冥王星も入っているので例えば情報や知性の深い探求のイメージ。地にグランドトラインなので、利害関係の共通するもの同士が深く交流したり、未知の探求を深めたり、秘密の情報を共有していくかもしれません。いろいろな次元でこのような「内輪の探求」が進むのではないかと感じますが、それが木星の「未来のビジョン」や全体像の理解、哲学や社会通念の形成に影響し、土星海王星の状態の変化に通じる積極的な刺激になるのではないかと考えられます。
この構図はいろんな次元で現在の情勢に象徴的に対応しているかもしれません。例えば、パナマ文書はタックスヘイブン(土星海王星)の告発のために膨大な量の情報(水星木星冥王星)が公開されました。一方、隠れた目的を持った規則や法律(土星海王星)が一部の利害の追求のもとに決められていく(水星木星冥王星)様子にも重なるでしょう。どんな利害のグループが何をやろうとしているのか、少し複雑な長期的な効果をじっくり考えながら適切な判断ができるとよいと思います。
さて、それはここ3年間の基準の話でしたが、この6/7には金星がプラネタリーノード上で太陽とコンジャンクションになります。今回は逆行していないので日面通過ではなく、反対側の日裏通過(どう呼ぶのが適切かわかりませんが)です。日面通過は2004と2012の後は100年程度起こりませんが、こちらは8年ごとのサイクルで1976〜2048年まで10回起こり、その後何十年も空きます。金星の働きの基準を10回微調整しながら作っていくイメージでしょう。8年ごとの微調整です。
そして、この金星は6/7太陽とともに上で出てきた長期的な木星土星海王星のTスクエアに対してグランドクロスを形成するのです。さて、みなさんはこのグランドクロスをどのように利用していきたいでしょうか?
例えば、理想的なビジョンに合わせてルールを変化させるための協力関係作りというのはどうでしょう。
水星のテーマも考慮すれば、おそらくいろいろな利害関係に基づいて秘密の動きとしてこのような協力関係がたくさんできてくると思います。そこでぜひなかなか焦点は定まらないかもしれませんが、単なる利害関係に基づいた提携作りだけでなく、どんなルールや秩序に変えたら関わるみんなが幸せになるかを考えられると素晴らしいのではないかと思います。
柔軟のクロスの重要なテーマは、全体の循環をよくするための知性の洗練です。